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「『あいのり』主題歌で新しい景色に」川嶋あい、“母の命日”恒例ライブに終止符、路上時代の思い出を語る

『あいのり』主題歌で新しい景色に

川嶋あい――その後、ユニットI WiSHとしてデビュー。夢だった歌手になれて、どんなことを思いましたか? 川嶋:『あいのり』(フジテレビ系)という大きな番組の主題歌にデビュー曲「明日への扉」を選んでいただき、地上波で歌が流れたあの瞬間は、とてつもない喜び・達成感もありましたし、すごい気持ちを味わわせていただきました。 ――「明日への扉」は大ヒットしましたが、環境の変化はありましたか? 川嶋:環境自体はそんなに変わらなかったのですが、新しい景色を見させていただき、感動したのを覚えています。(I WiSHとしてデビューしたあとも)毎日、路上で歌うために渋谷へ行っていたんですけど、その前後にCDショップに行って、どんな人が視聴機で聴いてくれているのかを見たり、買ってくださる方を眺めたり、路上ライブでは絶対できなかった体験をさせていただきました。

夢が叶っても路上ライブをやめないワケ

川嶋あい――路上ライブをする際に「路上ライブ1000回」、「渋谷公会堂でライブ」、「手売りでCDを5000枚売る」との目標を立て、数年後にすべて達成したそうですね。歌手になる夢が叶ったことで、路上ライブをやめる選択肢も生まれたかと思います。それでもやめなかったのは「目標」があったからなのでしょうか? 川嶋:当時、路上で出会ったスタッフ、路上ライブの活動を応援してくださっていたファンの方たちに、認めてもらいたい気持ちが強くありました。みなさんに自分が目標を達成する姿を見ていただきたかったので、絶対に捨てられない目標でしたね。 ――当時から目の前にいるリスナーさんを大事にされていたんですね。 川嶋:上京して路上ライブを始めて、1人で考えて悩んでいたあの日々があったからこそ今があるというか。もし、すぐにデビューが決まっていたら「誰かに認めてもらいたい」とか「何かにしがみついて頑張る」とか、そういう生き方を選んでいなかったと思うんです。(これまで歩んできた)その結果が、自分のこの20年の活動や作品の一つひとつに影響していると思いますし、“人”に出会えたことがすごく大きかったと思います。
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東京は「繊細で今生きている人でいっぱい」
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1984年生まれのライター。お笑い、ドラマ、映画などのコラム・インタビューを担当。Twitter:@mhmhhmhm18
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