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「『あいのり』主題歌で新しい景色に」川嶋あい、“母の命日”恒例ライブに終止符、路上時代の思い出を語る

挫折や絶望は常にある。それでも前を向く

――川嶋さんに対して「強い意志を持って前を向く人」というイメージを持っているファンの方も多いと思います。音楽活動をする上で、モチベーションを保つ秘訣があれば教えてください。 川嶋:挫折と絶望というのは常にあって、それがライブや歌を作ることに直結しているのかもしれません。「今度のライブで、こういうことができる自分でありたい」と何かに挑戦したり、「絶望してどうしようもない」と思ったときの気持ちを切り取って歌詞やメロディを生み出してみたり、ライブと楽曲制作をすることで、 またモチベーションが上がっていく……というのはあると思います。 ――悲しいことや落ち込むことがあった場合、どう切り替えていらっしゃるんですか? 川嶋:10代のころから「考えない時間」を作っているような気がします。1人で悶々と悩んでもキリがないので、そのことを考えないように、やることを決めるんです。  何かに向かって努力する時間があると、悲しみを忘れる瞬間があって、「じゃあ次はこれをやらねば」というモードになる。それは誰かと遊びに行くとか、美味しいごはんを食べに行くとかでも良いんですよ。全然結論は出ていないんですけど、いったん置くか忘れるかできるくらい、他のことに没頭するのは大事だなと思いますね。

リアルな思いを散りばめたミニアルバム

川嶋あい

6月23日に配信リリースされたミニアルバム「Document」

――6月末にミニアルバム『Document』が配信されました。路上時代を意識した作品と聞きましたが、どんな想いで制作されたのでしょうか? 川嶋:路上時代、ミニアルバムを全部で6枚出したんですけど、あのミニアルバムを今の自分が作ったらどんな曲たちが生まれるかな、という想いで制作しました。「1曲目はマイナーコードから始める」、「最後はバラードで終わる」など、当時自分の中で一貫して決めていたルールを守りながら制作しました。  メロディの作り方は当時と変わらない感覚があるんですけど、歌詞は、10代の時から自分の性質としてあった「妄想」や「脚本の世界」だけじゃなくて、自分が生きてる中で感じたリアルな想いを散りばめました。 ――そして、8月20日、今年も恒例のライブが開催されます。改めてこのライブを始めた経緯を教えてください。 川嶋:母の命日の8月20日にライブをやりたいと思って、2003年から始めました。そこから毎年、その日を目標にして活動していましたね。20年続けることができたので、私にとってはかけがえのない特別なライブです。
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最後の「8月20日」は次の道を歩むため
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1984年生まれのライター。お笑い、ドラマ、映画などのコラム・インタビューを担当。Twitter:@mhmhhmhm18
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