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「今も楽しくはない」どきどきキャンプ・佐藤満春が歩んだ“芸人らしからぬ”人生

「好きなことが見つけられなかった」少年時代を経て

『スターにはなれませんでしたが』(KADOKAWA)

『スターにはなれませんでしたが』(KADOKAWA)

——今の佐藤さんを見ると、お笑い、トイレ、清掃など、ご自分の好きなことがはっきりあるように見えるんですが、子供の頃にはそれが見つけられなかったから苦しかったんでしょうか。 佐藤:中1でラジオを聴き始めるまでは本当にゼロでした。サッカーは小1から習っていて好きではあったんですけど、なかなか上手くならなくて。同じ練習をしていても友達の方が上手くなったりして、自分は試合に出られないとか。そこで向いてないんだなと気付くと、楽しくはなくなるじゃないですか。 今はラジオの仕事もできているし、トイレや掃除に関する仕事もしているし、好きな人としか仕事もしてないし、こんな環境で仕事ができていることは本当にありがたいなと思うんですけど、別に楽しくはないんです。毎日プレッシャーに追われながら何とか仕事をしているという感じですかね。

「今も楽しくはない」理由

——本の中でも「今も楽しくはない」というのを正直に書いているところが印象的でした。 佐藤:本当は「好きな人と仕事をしていて最高です。ハッピーです」みたいなところに行きたかったですけど、無理でしたね……(笑)。仕事では「あのときはああすれば良かったかな」とか、反省ばっかりするし。どんな仕事でも反省点は出てくるんです。だから、今は仕事のことを考えなくていい時間をどう作るかっていうのをテーマにして、フットサルをしたりしていますけどね。 だからこそ、「もう1冊書かないとやってられないな」と思っているんです。本を書くことで自分を1回リセットして、こういう人間でこれをやっていくっていう覚悟をしていかないとダメになっちゃう気がしているんですよね。 「能動的に自分の考えていることを世に出す」ということをやっていかなきゃいけないんだというのを決意しました。まだ何か思いついているわけではないですけど、自分としては書いた方が良いなと思っています。 <取材・文/ラリー遠田 撮影/山川修一>
お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『教養としての平成お笑い史』など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで
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