更新日:2023年08月05日 22:36
お金

伸び悩む「築地銀だこ」…運営元は「コールド・ストーン」に期待か

化学メーカーで研究開発を行う傍ら、経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。 『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。さて、今回は株式会社ホットランドの業績について紹介したいと思います。 「ホットランド」に馴染みがない方もいるかと思いますが、「築地銀だこ」の運営企業であり、最近では国内で一度失敗してしまったコールド・ストーンの再出店を強化しているようです。その本意は果たしてどこにあるのでしょうか。近年における業績と今後の方針について見ていきたいと思います。
コールドストーン

jetcityimage – stock.adobe.com

国内30店舗から2店舗へ。巻き返しなるか

「コールド・ストーン・クリーマリー」は2005年に日本に上陸し、当時は新しいタイプのアイスクリームチェーンとして話題となりました。1988年にアメリカで創業したコールド・ストーンはその名の通り、「冷たい石」の上でお好み焼きのようにアイスを混ぜてトッピングしてくれるのが特徴で、時折店員が明るく歌うパフォーマンスも印象的です。 六本木ヒルズに1店舗目をオープンした後、SNS等で話題となり、北海道から沖縄まで全国的に展開し一時は国内で30店舗を超えました。 2014年、新業態店の開発を目的に「築地銀だこ」の運営元である株式会社ホットランドがコールド・ストーンを買収しました。更なる拡大が望まれるところでしたが、「サーティワンアイスクリーム」の根強い人気や、コンビニが始めた高級アイスの販売が消費者の心を掴んだこともあって苦戦。2022年には国内で僅か2店舗にまで落ち込みました。 しかし、2023年からは一転、多摩地区及び原宿にそれぞれ1店舗、千葉県船橋市に1店舗を新たにオープンさせており、どうやら再度コールド・ストーンの出店を強化していくようです。

ホットランドの主力は言うまでもなく…

コールド・ストーンの再出店を進めるホットランドの本意はどこにあるのでしょうか。まずは同社の事業形態について見ていきましょう。 同社は飲食店を単一事業として2022/12期末時点で国内613店舗・海外84店舗を展開しています。国内613店舗のうち直営は298店舗、FC・PC店舗はそれぞれ149・166店舗となっており加盟店比率は51%です(PC店は社員独立制度によって開業した店舗)。 たい焼き店や油そば店も展開していますが、国内で展開するブランドのうち「築地銀だこ」は425店舗、「銀だこハイボール酒場」などの居酒屋形態も64店舗。主な収入源は銀だこ系列であることが分かります。
次のページ
関西圏以外では初のたこ焼きチェーンだった
1
2
3
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ