更新日:2023年08月05日 22:36
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伸び悩む「築地銀だこ」…運営元は「コールド・ストーン」に期待か

関西圏以外では初のたこ焼きチェーンだった

ホットランドは1991年の開業当初、当初アイスまんじゅうの販売などを手がけていましたが、97年に群馬県で1号店をオープンした「築地銀だこ」がヒット作となりました(築地と言いながら実は築地発祥ではありません)。 銀だこは1999年に50店舗まで増え、翌年に100店舗、2003年には300店舗を達成するなど急速に店舗数を伸ばしていきました。当時、関西圏以外でたこ焼きは祭りや観光地で食べる物として認識されており、個人経営のたこ焼き屋はあったもののチェーンとして本格的に展開する店舗はありませんでした。 このような競合の不在や、たこ焼きとの相性の良いフードコートでの出店を強化したことが築地銀だこの成功につながったと考えられます。

出店の余地がなくなっている?

2014年には築地銀だこが国内で400店舗を超え、ホットランドもマザーズ上場を果たしました。しかし「築地銀だこ」の店舗数推移(国内)を見ると2016年度、2019年度、2022年度はそれぞれ467店舗、433店舗、425店舗となっており、コロナ禍以前から伸び悩んでいることが分かります。 出店の余地が無くなっているのでしょう。ちなみに本場の大阪ではたこ焼きチェーン「じゃんぼ總本店」が100店舗弱を展開しているのに対し「築地銀だこ」は10店舗しかありません。外側がカリっとした関東風のたこ焼きは、ふわとろ食感に馴染みのある大阪人には受け入れられなかったようです。 主力とする銀だこ事業の不調もあってかフランチャイジーとして油そば事業にも参入するなど、ホットランドはコロナ禍以降、他業態店の出店を強化しています。コールド・ストーンの再出店も同様の背景があると考えられます。
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銀だこに代わる新業態を模索する
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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