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「男が性被害に遭うはずがない」いまだ残る社会の無理解と偏見。男性のレイプ被害の実態を探る

男性被害者への社会的偏見「レイプ神話」とは

①男性が性被害に遭うはずがない ②性的な被害に遭う男性は同性愛者だ ③女性が性的な加害行為をするはずがない ④性的な被害を受けることでその男性は後にゲイになる ⑤性的虐待を受けた男児は自らも性的虐待を行う男性に成長する ⑥性的な被害を受ける男性は、男らしさに問題がある ⑦男性は性的被害に遭いそうになっても抵抗できるはずだ ⑧抵抗しない男性はその行為を望んでいる ⑨勃起・射精などの性的反応が起こったら同意していたといえる (出典:「性犯罪に関する刑事法検討会ヒアリング配布資料」岩崎直子、Struckman-Johnson、Turchik & Edwards)

過去の被害でも軽く見てはいけない

男の性被害実態

※写真はイメージです

「レイプに遭う可能性がゼロではないと思って生きている女性と、そういう発想がもともと頭にない男性では、リスクに対する構えに大きな違いがある。男性は人生に織り込まれていないリスクを突然、背負わされるのです」(川本氏)  では、実際に被害に遭った場合はどうすればいいのか。前出の山口氏は、迷わず専門家に相談すべきだと言う。 「過去の被害でも軽く見てはいけません。一度性的トラウマを受けたら、何もなかったことにはできないのです。人に語ることで回復することは決してないので、それ以外の部分に目を向け、少しずつトラウマを解消していくことが必要です」  前出の岡田氏は最後にこう強調する。 「被害の重い、軽いではなく、被害に遭った誰もが助けられる社会であることが大切です」  性別に関係なく、まずは被害を減らすことが重要だ。 【弁護士・川本瑞紀氏】 第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会・委員。犯罪被害者支援弁護士フォーラム会員。性暴力救援センター・東京理事 【心理カウンセラー・山口修喜氏】 カナダの州公認心理カウンセラーを経て、男性専門のカウンセリング「オフィスPomu」代表。2500人以上にトラウマセラピーを行う 【支援団体代表・岡田実穂氏】 LGBTQ+の性暴力被害者やサバイバーの支援団体・Broken Rainbow–JapanやNGO・レイプクライシス・ネットワークの代表を務める 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/時事通信社 Shutterstock
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