スポーツ

山道で倒れ込むほどキツい練習メニュー。元ガールズ女王が語る競輪選手時代の過酷な練習

グランプリ覇者の1日の街道練習メニューとは

高木真備さん

現役時代の街道練習での一コマ

 また、競輪選手はバンク以外でも練習を行うことがある。一般の公道を自転車で走る練習は「街道練習」と呼ばれ、基本的には見晴らしの良い道で行われるとのこと。街道練習はチームで行うケースが多いが、高木さんは1人で練習を行っていたようだ。 「コンスタントに勝てるようになるまでの最初の数年間は、基本的に1人で街道練習をしていました。車で箱根山まで行き、山の中間地点にあった駐車場に車を停めてから練習スタートしまして……。自転車で一番下まで行って、そのあと一気に頂上まで登り、また元の場所まで下るのが箱根でのノルマでした。箱根の山を一番下から頂上まで登るのは、自転車漕ぎ続けて1時間半くらいかかったと思います。それを午前中にこなして、お昼を食べながら運転して厚木に移動し、宮ヶ瀬ダムの近くで決められた本数を練習。その後、家に帰ってきてからローラー練習をする……という1日をレース3日前までほぼ毎日やっていました。街道練習がキツすぎて、レース3日前のバンク練習のときは『やったー』と思いましたね(笑)」

猪や猿と遭遇したことも…

 話を聞くと、山での街道練習ならではのハプニングもあるようで……。「いろんな動物と遭遇しましたよ」と高木さんは話した。 「箱根にはヘアピンカーブと呼ばれるU字の大カーブがあるんですけど。あるとき山を下っていたら、ヘアピンカーブを曲がったところに猪の親子が出てきたんです。かなりビックリしましたが、私だけでなく猪もビックリしていましたね(笑)。カーブで止まることはできなかったので、そのカーブを並走する感じになって下っていき、そのあと猪は山に帰っていきました」  他にも、動物とのエピソードで「山の駐車場で車の中にいるときに、車が猿の集団に囲まれたこともありましたね」と話した。山での街道練習は、動物との遭遇にも気をつけなければならないようだ。
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「いっそのこと崖から落ちたい」と思うほど過酷な練習とは
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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