更新日:2023年08月17日 11:23
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一風堂、町田商店、山岡家で“真の勝ち組”は…ラーメンチェーンで分かれた明暗

“独自路線”の町田商店

 3社の中で変わったビジネスを展開しているのが町田商店。プロデュース店と呼ばれるフランチャイズ加盟店が全体の7割以上を占めていますが、通常のフランチャイズビジネスとは異なります。  フランチャイズはロイヤリティ、加盟金などを加盟店から受け取り、経営指導などのノウハウを提供するのが基本。しかし、町田商店は加盟金、ロイヤリティ、保証金を受け取っていません。スープや麺などの食材を卸すことが、契約上の条件になっているのです。加えて店舗立ち上げ時にコンサルティングを行っていますが、食材の購入を条件として原則的に無償提供しています。  加盟店にとっては利益が圧迫されないため、メリットの多い制度になっています。町田商店にとってはデメリットが多いようにも見えますが、そうでもありません。理由は2つあります。1つは食材の製造工場の稼働を上げられること。もう1つは、コンサルティングに関わる人件費がいらないため、プロデュース事業そのものの利益率を高められることです。

ロイヤリティを徴収しないフランチャイズビジネスとは

 家系ラーメンは、豚骨や鶏骨を長時間炊き続ける必要があり、その味を均一に保つ難しさがあります。町田商店はスープを自社工場や委託先の工場で生産しています。  また、麺の製造工場を365日稼働させる計画を立てるなど、効率的な運営体制の確立と味を安定させる取り組みに熱心な会社です。  ロイヤリティで目先の利益を獲得するよりも、加盟店オーナーが店舗数を増やしやすくして食材の供給先を増やし、会社全体のコスト削減に繋げようとしています。  そしてそれは味の均質をもたらし、顧客満足度を高めるのです。
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「営業利益率」は3社の中でトップの町田商店
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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