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「毎月7万円の仕送り」を強要された30代女性…“毒親の洗脳”を解いた婚約者の一言

仕送りを止めると、母はまさかの…

 岡本氏と彼氏は、婚約の挨拶を行い、その際に仕送りの減額を申し出た。 「話し合いは終始穏やかに進みました。母は彼氏からの言葉にやや戸惑っているようには見えましたが、『そうね、ここ30年くらい給料は横ばいなのに物価は上がっているって、この前ニュースでみたもの。若いふたりで生活するのは大変よね』などと、減額について明言を避けたものの、暗に理解を示すような発言をしていました」  自分の手の中にいた娘が独り立ちし、大切な男性を見つけた。そのことに理解を示したかに思えた母親。だがことはそんな単純ではなかった。 「私はその月から、仕送りを停止しました。連絡もなかったので、特に気にしていませんでした。ある日、結婚式についての連絡をしようと家族のグループLINEを開こうとしたところ、そのグループが消えていることに気づきました。仕方がないので、母に直接LINEをしましたが、数日既読になりません。  弟に電話をかけてみると、けだるそうな声で『え、だってお母さん、お姉ちゃんのことブロックしてるから、届かないの当然でしょ』と言われました。仕送りをしなくなった途端に、この有り様です。“金の切れ目が縁の切れ目”って、他人だけの話かと思っていました。家族でも通用する言葉なんですね」  そういうと岡本氏は力なく笑った。現在はその彼氏と結婚し、第2の家庭を築いた。母親のLINEはいまだ既読がつかない。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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