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「3兆円企業」を目指す無印良品。キーワードは“脱・セゾン化”

リーマンショック以降は中国でも拡大

リーマンショックから2010/2期まではしばらく停滞したものの、それ以降は成長が続きました。国内では依然、シンプルな無印良品ブランドが消費者の心をつかみ続け、無印良品ブランドとしての地位を確立しました。 中国事業の好調も良品計画の業績を支えました。中国では日本と違ってミドル~ハイエンドブランドとして無印良品は知られており、現地の中年層の中にはシンプルなのに高いとネガティブな印象を持つ消費者もいますが、飾り気のないシックな商品が特に若年層の間で好印象とされているようです。 特に大型店や旗艦店を出店した2015年以降は認知度が高まったことで中国事業は著しく伸びました。中国の経済成長に伴う消費力の高まりも影響していると考えられます。2010/2期、2015/2期、2020/2期の業績・店舗数は次のように推移しました。 営業収益:1,634億円→2,603億円→4,387億円 店舗数(国内):339店→401店→437店 店舗数(海外):115店→310店→533店 店舗数(中国):13店→128店→273店

“脱・セゾン化”で規模拡大に成功

西武百貨店・西友から成る「セゾングループ」は店長個人のセンスを重視した店舗運営が特徴だった一方、無印良品は組織やマニュアルを重視した運営方針へとシフトしていきました。 こうした“脱・セゾン化”が合理化を促し、規模拡大につながったともいわれています。現在でも海外では中国事業が稼ぎ頭となっており、東アジアでは台湾や香港、東南アジアではタイやベトナムなどに進出しています。
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コロナ禍では巣ごもり需要が追い風に
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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