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芥川賞で注目「障害者の性」。東大卒代表が語る、“性欲を満たす射精介助”現場のリアル

「ケア」を超えた要望には線引きを

 中途障害の人と、生まれつき障害のある人では、サービスを受けた反応やニーズに違いはあるのか。 「脳性麻痺など生まれつき障害のある方にとって、射精介助はケアとして受け入れられやすい印象があります。一方で、中途障害の方からは、射精介助だけでなくケア以上のサービスを求められることも。健常者だった頃の記憶や体験が残っていて独自のやり方や癖があるからだと思います。以前は身体が自由に動いて自慰行為ができたけれど、年齢を重ねるごとに障害が進んで手足が不自由になったから射精介助を依頼する方も多いです」  風俗とは異なり、あくまで「ケア」として提供されている射精介助。それでも、利用者がケアスタッフに恋愛感情を抱くことはないのだろうか。

サービス以上の要求をされることも

射精 介助

画像はイメージです

「時々ありますね。ケアスタッフが利用者の方にLINEを交換したいと言われたり、私たちが提供するサービス以上の要求をお願いされるケースも。そのような場合には、ケアの範囲でできること、できないことの線引きをきちんとお伝えして対処するようにしています」  現在、全国のさまざまな地域で20名ほどのケアスタッフが射精介助を行なっている。ケアスタッフがサービスの提供者として登録する動機やきっかけは? 「メディアで知って関心を持ってくださった方や、仕事関係で障害者や高齢者に接する機会があった方、家族や周囲に障害者がいる方などがケアスタッフとして登録されています
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女性向けサービスの開発を試みるも声上がらず
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大阪府出身。外資系金融機関で広報業務に従事した後に、フリーのライター・編集者として独立。マネー分野を得意としながらも、ライフやエンタメなど幅広く執筆中。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter):@COstyle

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