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「年利4%にダマされた」被害者続出の仕組債、大手金融でも信じてはいけない理由

賢者が買わないワケ

①債券のフリしたハイリスク商品 ②急落相場で無限のリスクを負うことも ③“見えない”購入コストは8~10%

【診療報酬債権ファンド詐欺】“投資の玄人”も引っかかった

[買うと損する]金融商品

アーツ証券が説明していた取引スキームと、実際の取引と資金の流れは異なった(金融庁が公表した参考資料より)

「信頼するFPに勧められて、資料を読み込んだら“堅い”商品だと感じたんです」 こう話すのは’13年にアーツ証券(’16年に破産)から「レセプト債(診療報酬債権)」を購入した50代の兼業投資家だ。レセプト債とは医療機関から買い取った診療報酬請求債権をまとめてファンド化した商品。国が支払う診療報酬を裏付けにした商品だと説明され、700万円投資したという。 だが、その実態は完全な詐欺だった。投資家から集めた資金が販売元の関係者に還流していたことが判明し、事件化したのだ。 特徴的なのは、“投資のプロ”も騙された点。前出の50代男性は長くオプション取引などで資産を増やしていた玄人で、勧めたのもベテランFPだった。結果、2000人以上が投資し、被害額は227億円に達した。 実はこの事件はいまだ完全決着していない。 「証券会社が資産を分別管理せず、顧客に被害を与えた場合、投資者保護基金という機関に補償を求めることができます。しかし、同基金は『分別管理はされていた』と補償を拒否した。“されて”ないから資金がアーツ関係者に還流してたのに……。現在、司法の判断を仰いでいますが、一審、二審ともに基金の役割を無視する不当判決。最高裁で覆ることを期待しています」 【金融ジャーナリスト・浪川 攻氏】 金融専門誌、証券業界紙の記者、『週刊金融財政事情』副編集長などを経てフリーに。銀行・証券業界に精通し、多数の著書がある <取材・文/週刊SPA!編集部>
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