更新日:2023年09月15日 17:53
スポーツ

ラグビーW杯が開幕…「優勝」を目指す日本代表は初戦という“鬼門”にどう挑むのか

 着実に階段を登れるか。  ラグビー日本代表は9月10日、フランスはトゥールーズでチリ代表とぶつかる(日本時間10日20時試合開始)。4年に1度のワールドカップ初戦である。  前々回のイングランド大会では、初戦で優勝経験のある南アフリカ代表から歴史的な勝利を収め、プールフェーズで3勝を挙げた。前回の日本大会では、開幕直前期に世界ランク1位だったアイルランド代表などに勝利し、プールフェーズは負けなしの4連勝。初の決勝トーナメント行きを果たした。  そのたびに競技の人気を引き上げ、出場選手は時の人となった。  そして今回、ラグビー日本代表が目指すのは……。
姫野和樹

「優勝を目指す」と宣言したキャプテンの姫野和樹 ©︎Kaori Matsumoto

8強進出1回のみでなぜ「優勝」を目指すのか?

「優勝です」  そう宣言するのは姫野和樹。今年に入って主将となった29歳だ。  振り返れば、日本大会の決勝トーナメントで負けてからこの旨を述べていた。決勝トーナメントに進んで勝つには、最初から優勝を目指して戦いに挑まねばならない、と。  日本大会まで2大会連続主将で34歳のリーチ マイケルも、こう続ける。 「選手ひとりひとりは2019年のときよりレベルアップできているし、メンタルもいいし、経験もある。楽しみです。上のレベルで戦えるチームになったから、優勝を目指していい」

国際試合での試合結果には、不安が残るも…

ディラン・ライリー

活躍が期待される新戦力のディラン・ライリー ©︎Kaori Matsumoto

 日本大会の躍進を支えたサンウルブズ(※)は解散し、日本代表は昨秋までの上位国との代表戦は10戦全敗。大会開催年の対外試合も1勝5敗と負け越しており、国際試合での経験値や成功体験は決して十分とは言えない。  ただしリーチの言う通り、若手から中堅でポテンシャルに秀でた選手が増えている。  速くて強く守備範囲の広いディラン・ライリーは、出身国のオーストラリアでも評価の高い26歳。21歳のワーナー・ディアンズは、日本待望の身長2メートル超の大型FWだ。  日本大会時にはいなかった才能が次々と台頭し、日本大会時から根付くプレースタイルを適宜アップデートさせて戦う。 (※)サンウルブズ=国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦。代表チームと選手や戦術を共有した。
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「首脳陣のしたいこと」を選手が信じ切る日本代表
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1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年にラグビーライターとなり「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」「REAL SPORTS」「THE DIGEST」「Yahoo! ニュース」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。ワールドカップ期間中は現地情報をオンラインで届ける「ラグビー反省会特別編」を実施。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など
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