ジャニーズ会見を見た「会見のプロ」の意外な見解。「なぜ幼なじみの東山さんが社長なのか」
創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐって、9月7日に記者会見を開いたジャニーズ事務所。記者会見には、喜多川氏のめいで事務所社長だった藤島ジュリー景子氏、東山紀之氏、井ノ原快彦氏、そして顧問弁護士が出席した。
まず石川氏は会見のポイントについて「藤島ジュリー氏が出席したことは評価したい」と話した。
「当日まで出席するかどうかもわからなかった彼女が会見に出てきたことと、しっかりと性加害の事実を認め、謝罪したことは非常によかったと思います。手元の原稿を読むのではなく、しっかりと正面を向いて自分の言葉として話していた。これまでも被害男性と直接対面してきたことも含め問題としっかり向き合おうとしているのを感じ取りました」
一方で、厳しい評価を下した点も。ジャニーズ事務所の古参社員としてマスコミ対応の責任者だった白波瀬傑前副社長が出席しなかった点だ。
「ジュリー氏の話を聞いていると、代表権を持つもう1人である白波瀬氏がメディア対応の責任者であったことはよくわかります。彼は責任を取って副社長職を辞任しましたが、再出発のけじめとして会見に出てほしかった。一方で、8月に提言された外部専門家による再発防止特別チームの報告書で、白波瀬氏の名前は挙がっていなかったので、その辞任に踏み切ったのは一定の評価ができると思います。もしかしたら再発防止特別チームが “その余地”をあえて残したのかもしれませんが」
ジャニーズ事務所は性加害の事実を全面的に認めて謝罪した一方、再発防止チームは提言書で「解体的出直し」として、ジュリー氏の辞任、社長職に外部の人物を招へいすることなどを求めていた。結果的にそれらの意見は採用されず、「ジャニーズ」という事務所名も残ることとなった。石川氏はこの点をどう評価するか。
「解体的出直しにはまだほど遠いように思います。ただ、提言書が出てから、まだ1週間ほどしか経っていません。会見までにある程度、報告書を読み込む時間も必要だったはずなので、このタイミングだと新体制の発足や、今の自分たちの考え方を述べるだけが限界だったのではないでしょうか。事務所の名前についても“当面は”そのままというだけで、変更の可能性を示唆しています。大事なのは今後の対応でしょう」
ジャニーズ事務所という名称について、会見当初、東山氏は「今後はそういうイメージを払拭できるよう頑張っていく」と慎重な姿勢を示した一方、井ノ原氏は終盤で「みんなで時間をかけて、変えるなら変える。変えないなら変えない」と述べ、変更に含みを持たせている。
まずジュリー氏は「事務所としても個人としても、ジャニー喜多川による性加害はあったと認識している」として謝罪、責任を取って社長職を辞任することを明らかにした。新社長には東山氏が就任、タレント活動は経営に専念するため年内で引退する予定とも述べた。
NHKをはじめ民放各局が生中継し、様々な議論がまきおこった今回の記者会見。『Live News イット!』(フジテレビ系)に生出演し、その様子を見守ったという、危機管理/広報コンサルタントの石川慶子氏(日本リスクマネジャー&コンサルタント協会副理事長)に分析してもらった。
再発防止特別チームの報告書になかった対応も
ジャニーズ事務所の名称は残ることに
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