サッカー日本代表「欧州では快勝」も…アジアでの戦いを“不安”に感じてしまう理由
ヨーロッパに遠征したサッカー日本代表は、ドイツ代表に4-1、トルコ代表に4-2で勝利を収めている。内容においても自分たちがゲームをコントロールする時間が多く、思い描いたゲームプランで試合を進められていた。加えて、この2戦で招集メンバー26人中25人を起用し、チームの底上げも行うことができた。試合内容、強化プランともに申し分ない結果といえるだろう。
早くも3年後の北中米ワールカップが楽しみになるほど、大きな期待感を持たせてくれた。順調に成長を続ける日本代表だが、課題が全くないわけでない。
「良い守備から良い攻撃を」
森保一監督が掲げてきたチームコンセプトをしっかりと表現できた内容だった。守備時には最終ラインを高く保ち、最前線からの距離が30メートルほどのコンパクトな陣形で相手にスペースを与えなかった。また、連動したプレッシングで相手ゴールに近い位置でボールを奪う回数が多く、遠藤航や守田英正が前を向いた形でプレーする機会も多かった。
そういった「良い守備」から奪ったボールを素早く縦方向へ進めて、チャンスを多くつくりあげていった。推進力のある伊東純也や三笘薫が縦へボールを運ぶ役割を担ったわけだが、守備陣形をコンパクトに保てていたのでサイドバックやボランチの押し上げも早くなり、2次攻撃、3次攻撃と単発では終わらない厚みのある展開を見せていた。
厚みのある攻撃だったことは、ドイツ戦の1点目、2点目が証明している。
いずれのシーンもサイドバックの菅原由勢が、味方を追い越すオーバーラップを仕掛けてクロスを入れている。さらに、クロスが入る瞬間にはペナルティーエリア内で4〜5人の味方が待ち受けていた。特に、2点目の上田綺世が決めたゴールは、偶発性が高く運が良かったと感じている人も多いと思うが、ペナルティーエリア内でマーカーから離れたポジショニングができていたからこそ奪えたゴールなのだ。
見応えがあった「単発では終わらない厚みのある展開」
上田のゴールは「運が良かった」わけではない
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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