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ラグビー日本代表、優勝候補との再戦…「39点差」で敗れた試合で苦しんだ“3つのポイント”を改善したい

「タフな鍛錬の成果」が問われるイングランド戦

 日本と対戦した翌月に、イングランドは体制を刷新している。  それでも、日本代表のトニー・ブラウンアシスタントコーチは、「常にイングランド代表はそのようにやる。ここ100年くらいは同じスタイルです」と分析。日本は昨秋に苦しめられた3つのポイントを改善し、勝負の流れを変えるつもりだ。  相手の激しい防御をかいくぐって前に出れば、スペースへ球を動かすアタックが切れ味を増す。どちらのものでもなくなるハイボールを確保すれば、混とん状態からの組織的な攻めを繰り出せる。自軍スクラムを安定させれば、初見のサインプレーで一気に突破しうる。  希代の戦術家たるブラウンは自信ありげに言う。 「(相手の)フィジカル、キックへの準備はできている」  局面を変えるべく取り組んだことの1つに、ハードワークがある。  チームは6月中旬から浦安合宿を敢行。客員コーチを招いて、約1時間ぶっ通しの格闘技風セッション、試合並みの強度による実戦練習、水圧で押し返すマシンを使ったスクラムのトレーニングを繰り返してきた。  一般論として、タフなフィジカルの鍛錬による成果が出るのは時間が経ってからだ。ワールドカップで最高潮を迎えることから逆算し、選手は厳しい日々を乗り越えてきた。それが成功したかどうかは、イングランド代表戦のパフォーマンスでわかる。 <TEXT/ラグビーライター 向風見也>
1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年にラグビーライターとなり「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」「REAL SPORTS」「THE DIGEST」「Yahoo! ニュース」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。ワールドカップ期間中は現地情報をオンラインで届ける「ラグビー反省会特別編」を実施。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など
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