ライフ

和田秀樹氏が考える「健康診断は不要」な理由。“ムダな医療”が増えるほど、あなたの給料が減る

年に一度、体の状態を知らせてくれる健康診断に今、疑問の目が向けられている。厚生労働省が内容の見直しを検討するなど、「本当に効果があるのか?」という声が高まっているのだ。健康診断の結果は本当に鵜呑みにしていいのか。その裏にある“医療のホンネ”に迫った!

「ムダな医療」が増えるほど、あなたの給料が減る

[健康診断]の罠

和田秀樹氏

「今、日本では院外処方が原則で、薬をいくら出しても収入が同じなので、病院は薬では儲かりません。稼げるのは、検査やワクチン注射薬。特に腫瘍マーカーなどは“ドル箱検査”なので、エビデンスが怪しいにもかかわらず、検査メニューに載せる病院がなくならないのです」  そう話すのは、精神科医の和田秀樹氏だ。「健康診断は不要」と言う和田氏だが、では63歳の現在はどのように健康と向き合っているのか? 「年を取れば健康診断の基準値をはみ出すのは当たり前。なので、私は自分が気になるところだけを定期的にチェックして数値を追っています。例えば私は重度の糖尿病なので、合併症が起こっていないかを調べるために腎機能の検査を3か月に一度、眼底の検査を半年に一度と、あとは心臓ドックを5年に一度受けているぐらいです」

値を下げすぎると…

 薬との関わり方にも和田氏ならではのルールがある。 「血糖値を抑える薬を普段飲んでいますが、値を下げすぎると今後は意識障害を引き起こす危険性が出てくるので、数値は基準値よりも高めでコントロールしています。 血糖値を抑える薬は血糖値が300を超えると飲みます。医師の言うままに常用薬を増やす人が多いですが『多剤併用』と言って、6種類以上の薬を飲むと意識障害を引き起こす可能性がグンと増えるのです」  言うなれば、オーバードーズに近い状態になるわけだ。 「昼間なのに寝ぼけたような状態が続いてしまうのが意識障害の症状で、それが家の中ならいいんですが、もし車の運転中に起こったらどうなるか。これはあくまで私見ですが、頻発している高齢者による自動車暴走事故は多剤併用が原因で起きている可能性もあると思っています」
次のページ
過剰服薬の温床に…
1
2
週刊SPA!10/3号(9/26発売)

表紙の人/ 松本穂香

サブスク「MySPA!」なら発売日の1日前からすぐ読める!
プランの詳細はこちらから
おすすめ記事