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新品を“割引価格”で勝手に販売!アパレル店員の「あきれた職権乱用」が招いた悲劇

一人勝ちのスタッフがいた

 キャンペーンは、フロア主任の若手社員近藤くん(仮名・25歳)がダントツのトップで1位に輝いたそうです。 「最初はあまり気にも留めていなかったんですが、近藤くんの売り上げがスゴかったんです。まあ、もともと接客のセンスもあったし、何より負けず嫌いの彼だったので『頑張ったんだな』くらいにしか思わなかったんです」  そう話す中森さん。ただ、後日スタッフの売り上げデータを精査していたら気になる点があったと言います。 「近藤くんの販売データを見ると、売上高の割にはアイテムの点数が異常に多いんですよ。よく見ると、商品名の横には『B』という文字が付いていました。『B』とは『B級品』を意味していて、通常はお客さんから返品された商品や、商品自体に少し難がある商品の区分で、割引価格で販売するアイテムなんです」

あきれた職権乱用

アパレル 近藤くんの売り上げをダントツトップにした「B級品」。通常は本部から半ば強制的に送りつけられる「セール用商品」と、店舗で発生する「訳あり品」という2通りの場合があると言います。どうやら今回は全てが後者であったようです。 「今回の件を近藤くん本人に確認したら、なんと彼は自分で『B級品』を生み出して倉庫の一角のダンボールに隠していたそうなんです。最初は耳を疑いましたが、彼はプロパー品を買い求めるお客さんに、名ばかりの『B級品』という新品を割引価格で販売していたんです。しかも『お客さんだけ特別に……』のような接客トークもしていたそうなんです」  同じ商品が安く買えるとあって、後日、近藤くん名指しで再来店し、他の商品に関しても掘り出し物はないか?というようなお客さんもいたといいます。
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昇進どころか振り出しに
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愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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