仕事

chocoZAP“1年で会員数83万人超”のウラにあったもの「エステ導入がひとつの転機に」

ライザップらしい“お節介さ”のアプリ体験

chocoZAP

chocoZAPのアプリ画面

 そのほか、無人型店舗として運営するchocoZAPは、専用アプリを提供し、セルフトレーニングに励む体験設計を行っている。村橋氏は「自社でデジタル人材を採用し、内製でアプリ開発ができる体制を整えてきた」とし、留意している点を次のように説明する。 「chocoZAPの会員様は100%アプリを活用されます。また会員様全員にアプリと連携するスターターキットをお配りしております。様々なデータから1to1でお客様のログを分析し、様々な継続促進を行っているんです。  例えば、継続率を維持するための取り組みとしては、1週間以上来店が空くとプッシュ通知が飛ぶようになっていますが、“土下座”するような動画や写真のクリエイティブを作り、ライザップらしい“お節介さ”が伝わるようにしているんですよ。また、店舗や時間別に混雑状況を可視化したりと、運動習慣の定着や利便性の観点から随時アップデートをしていく予定です」

限られたスペースでいかに満足感を高めるか

chocoZAP

RIZAP株式会社 取締役村橋氏

 今後の展望として、2026年3月期までに2000店舗を目指しているが、「そこはあくまで通過点に過ぎない」と村橋氏は言う。全国にはおよそ5万店舗以上のコンビニがあるとされていて、坪数も近いchocoZAPもコンビニジムという形で肩を並べるためには、まだまだ道のりが長いということなのだろう。 「メインのユーザー層である20〜30代の女性のお客様を中心に、これからも老若男女問わずに多様なニーズに応えながら、事業を成長させていければと考えています。そのためには、ふとした瞬間に立ち寄れる環境を作ることが大事ですが、そういう意味ではユーザーがいつでも行ける場所に十分な数出店できているとは全然言えない状況です。そのため、引き続き出店拡大ができるように努めていく予定です。  さらに、成長のキードライバーは『限られたスペースでいかに満足度を高めるか』が大事になってきます。例えば、100人中1人しか使用しないトレーニング器具を置いていてもお客様の満足度向上には繋がらず、スペースを無駄にしてしまいます。それだったら他のサービスに入れ替えたりと、お客様がより満足していただける空間に変えていく。こうしたことを愚直にやり続けていきたいですね」  立ち上げから1年経った今でも右肩上がりの成長を続けるchocoZAPは、この先どのような展開を見せるのか。RIZAPグループの手腕が試されると言えるだろう。 <取材・文・撮影(人物)/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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