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“走る哲学者”為末大が感じる、現代社会における『ことば』の大切さ「ことばを1%変えれば人生が変わる」

苦手な外国語を学ぶより‟日本語を磨いたほうが効果が高い”

為末大_4――今から苦手な英語を勉強するより、そちらのほうが大事かもしれませんね。 為末:そうだと思いますよ。普段使わないことばを頑張って少し話せるようになるより、日本語を磨いたほうが、効果が高いと思います。やはり日本で仕事する以上、ほとんどの会話が日本語だと思うので、その部分が少しでも良くなるというのは大きいです。 ――それが最初にお話しいただいた、歩行をちょっと良くするとすごくパフォーマンスが上がるのと同じという……、あ、カタカナを使ってしまった (笑)。 為末:パフォーマンスは「能力発揮」とかですかね(笑) 。 ――カタカナNGで会話するとすごく難しいです。 為末:一回、やってみるといいですよ。「日本語ではこう言う」ということばを決めて、それに置き換えてみる。 ――まず飲み会でやってみます。 為末:いいですね。「麦酒ください」みたいな? ぜひいろいろ試してみてください。 Dai Tamesue 1978年、広島県生まれ。世界大会のスプリント種目で日本人として初のメダルを獲得。五輪に3大会連続出場。男子400mハードルの日本記録保持者(’23年9月現在)。現在は執筆活動、体に関わるプロジェクトを行う。新著に『ことば、身体、学び─「できるようになる」とはどういうことか』(扶桑社) 取材・文/田中奈美 撮影/尾木 司 撮影協力/Brillia Running Stadium
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ことば、身体、学び─「できるようになる」とはどういうことか

ことばが世界をつくるのか。世界がことばをつくるのか。
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