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優秀な新入社員の女性がスピード退職。会社を見限る決め手となった“まさかの事件”とは

保護猫と出社したい…苦渋の決断は?

 Eさんからの切実な相談を受けた都築さんは、独断では回答できないと判断し、上司たちと相談することにしたそうです。 「上司の部長はもとより役員にもこの話は伝わり、半日かけて討論されたんです。会社側としてはかなり有益な人材なので、できれば要望に応えてあげたかったのですが、いくら逸材でも特別扱いは輪を乱すという理由で、会社が出した答えは『却下』でした」  その翌日、都築さんが会社の回答を伝えると、Eさんは残念な表情を浮かべながらも受け入れたように見えたそうです。 「ただ、その1週間後にEさんから退職届が提出されたんです。その時は、いくらなんでも猫のために会社を辞める必要はないのではと思っていたんですが、Eさんと距離の近い同僚によると、最近とくに子猫の体調がすぐれず、放置することはとうていできないと漏らしていたようでした」

逃した魚は大きすぎた

リモート会議 そうして、極秘プロジェクトもEさん抜きで進められることになったそうですが、彼女が退職してから半年ほどたったある日、都築さんはとあるネットニュース記事を見つけ、驚かされることになります。 「なんでも、あのEさんがアメリカの人工知能開発企業の新規事業チームにリモートで参画するという内容だったんです。日本人としては異例の大抜てきだそうで、しかも完全なリモートということで、注目度が高かったんでしょうね。その日のうちにすぐに社内で共有されて、しばらくその話題で持ちきりでしたよ。  私のみならず上層部もその記事を見て皆ため息をついていましたよ。あの時なんでリモートを提案しなかったのか、とても後悔しています」  今回のことをきっかけに、都築さんの会社では有能なエンジニアを確保するためにも、より柔軟な働き方の改革を模索することがマストになったそうです。 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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