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“NGリスト”が流出したジャニーズ会見。プロが指摘する事務所の判断ミス「慣れていない企業に発注した」

会見が荒れたのは当然「ルールは仕方ない」

世界に類を見ないジャニー氏の性加害だからこそ、記者が厳しく追及しようとして会見が荒れるのは当然です。フリーの記者や独立系メディアはある意味、熱心に追及をして目立ってなんぼの世界ですから。ただ、前回の会見が4時間12分にまで及んだのは明らかに長すぎました。そのため多くの記者が質問できるように1社1問といった一定のルールを設けるのは仕方なかったと思います」  さらに石川氏は「外国人記者クラブ(FCCJ)では指名された記者がマイクスタンドの前に行って質問するという方式を採っていました。それに倣って順番待ちでマイクスタンドから質問する方式にすれば不公平感はなくなるかもしれません」と付け加えた。

「NG記者リスト」は判断ミス

石川慶子

広報プロフェッショナルの石川慶子氏

 また、一部の記者による「ルール違反」や野次については井ノ原氏が神妙な表情でたしなめ、会場で拍手が沸き上がったことも話題になった。  しかし、10月4日の夜になって質疑応答で指名する記者のNGリストがあったとNHKがスクープした。番組では、関係者が「氏名NG記者」などと書かれた数名の顔写真が掲載されたリストを持参している様子が放送された。 「大切なのは厳しい質問に向き合うこと。そもそも普段からメディアと付き合いのあるPR会社はリストや顔写真がなくてもわかりますからリストは作成しません。いかに慣れていないかを露呈しています。慣れていない運営会社に発注したことが判断ミスです」  ジャニーズ側は「今回流出した資料は、弊社の関係者は誰も関与しておりません」と否定、また運営を委託された会社も「円滑な運営準備のために作成した」とのコメントを発表した。しかし、リストが流出したことでより厳しい目が向けられることは必須だろう。被害者たちのいち早い救済に向けて真摯な対応がもとめられる。 <取材・文/日刊SPA!取材班> 【石川慶子】 有限会社シン取締役社長。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会副理事長。国会職員として勤務後、劇場映画やテレビ番組の制作を経て広報PR会社へ。2001年独立し、危機管理に強い広報プロフェッショナルとして活動開始。リーダー対象にリスクマネジメントの観点から戦略的かつ実践的なメディアトレーニングプログラムを提供。リスクマネジメントをテーマにした研究にも取り組み定期的に学会発表も行っている。2015年、外見リスクマネジメントを提唱
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