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“史上最大級”に期待されるラグビー日本代表。アルゼンチン戦で勝つために守るべき「2つのポイント」

アルゼンチンに勝つために必要なポイントは…

 かねて、かねて、日本代表は「絆」「勇気」「導く」という標語を掲げ、一丸となっての攻防で流れをつかもうとしてきた。さらに次戦で求められるのは、激しさと規律だ。  特に激しさは、アルゼンチン代表が長らくモットーとしてきた概念になる。  攻撃時の突進役とサポート役、防御時のタックル役が、勢いをつけて攻防の境界線に駆け込む。ボールを前に投げられないラグビーを制するべく、最前線のぶつかり合いで勢いをつける。そうしてアルゼンチン代表は、南半球有数の強豪となった。  それだけでなく日本代表に問われる激しさは他にも多くある。立ったボール保持者を軸に作るモールを進ませない動き、高く蹴り上げられたハイボールの競り合いなどだ。これらはアルゼンチン代表の主な攻め手だ。きっとそれらへの対策を、日本代表は『とんぼ』の流れるグラウンドで入念に施していよう。  もし、日本代表が鮮やかなトライを決めたとしても、本当に注目されるべきはそれを支えるハードワークになる。ボールを境目にした両選手のぶつかり合いこそ、つぶさに注目されるべき勝利のポイントとなることだろう。

求められる「2インコリジョン」とは

 体格差に劣る日本代表がアルゼンチン代表より激しく戦うには、ひとつひとつの局面に複数人で挑まなくてはならない。空中戦では、上空で球を競り合う選手を相手からガードする「エスコート」と呼ばれる仕事がマスト。さらにボールを持って迫ってくる相手には、長らく反復練習してきた2人がかりでのタックルを繰り出したい。  その意を「2インコリジョン」というキーワードで福田健太が強調した。 「日本代表の持ち味はスピードをつけてどんどんアタックすること。そのアタックの機会を得るためには、ディフェンスの2インコリジョンが鍵になってくる。いままでと変わらない、いい準備ができたらと思います」  サモア代表戦では28-22と勝利も、後半はやや当たり負けした。手ごわいアルゼンチン代表に対しては、最後の最後まで「2インコリジョン」を浴びせ続けたい。
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忘れてはいけない「順法精神」
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1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年にラグビーライターとなり「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」「REAL SPORTS」「THE DIGEST」「Yahoo! ニュース」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。ワールドカップ期間中は現地情報をオンラインで届ける「ラグビー反省会特別編」を実施。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など
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