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“史上最大級”に期待されるラグビー日本代表。アルゼンチン戦で勝つために守るべき「2つのポイント」

忘れてはいけない「順法精神」

 ときにアルゼンチン代表は反則を多く犯す。ぶつかり合いを互角に持ち込めば、力んだ相手がラフな動きで笛を吹かれるシーンもあるかもしれない。最近では首から上へのタックルが、特に厳しく判定される傾向にある。故意でなかったとしてもイエローカード(10分間の一時退場処分)が出るケースが多く、今大会では両軍とも計2枚を記録している。補足すれば、80分間を通して反則数を1桁に抑えた試合数は、日本代表のほうが1つ多い。今大会で日本代表が2桁の反則を記録したのは前回のサモア代表戦だけだ。  松島は、その反省を生かす。ポジションの性質上、グラウンドの「外」(タッチライン際)に立つことが多いのを踏まえ、こう展望する。 「前の試合では簡単なペナルティが多かった。試合中は、それを(防ぐように)僕たちが外から細かく(中央に立つ選手に)伝えていくことが大事になってくる」  アルゼンチン代表戦では、規律を守る意識でアドバンテージを取りたい。激しさと規律。この2つの項目で問題を起こさなければ、個々の体格差を組織力で覆す展開へ持ち込めるのではないか。

アルゼンチン戦に向けた選手のメンタリティは?

 いまの日本代表は史上もっとも期待され、注目される状況下にあるといえよう。  公開練習には多くのメディアが集まり、試合中継を担当するテレビ局の関係者は、「放送時間や国内の盛り上がりを考えれば、視聴率20パーセントは下らないだろう」と胸をはずませる。  松島幸太朗は「不安よりかは個人的にはわくわくしている。早く試合がしたい気持ちです」と、内なる高揚感を淡々と口にする。 「自分に何が必要なのか、自分の仕事が何なのかを理解してゲームに入るイメージでいます。練習でも、『どういうシチュエーションが多くなりそうだ』と、相手のアタック、ディフェンスの仕方を予測しながらやっている。それで試合に入ったときに『予想通りだな』ということがあれば、こっちもいいプレーができる」  周囲の緊張感が高まるなか、戦いの当事者たちは元気なうえに落ち着いている。激しさと規律のどちらも大事にできるメンタリティ。それを保って決戦に臨みたい。 <TEXT/ラグビーライター 向風見也>
1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年にラグビーライターとなり「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」「REAL SPORTS」「THE DIGEST」「Yahoo! ニュース」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。ワールドカップ期間中は現地情報をオンラインで届ける「ラグビー反省会特別編」を実施。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など
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