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パチンコの衰退は止まらない?業界人が語る「規則改正」の狙いと影響

 スマスロの登場によって活気を取り戻したパチスロに対し、ホールデビューから約半年がたったものの、イマイチ盛り上がりに欠けているスマパチ。同じスマート化でも完全に明暗が分かれたわけだが、今年の6月に行われた内規改正により、パチンコはさらなる進化を遂げる可能性を秘めている。  今回の改正で搭載可能となる新機能の一つが「ラッキートリガー」。これまで以上の出玉を獲得できるとのことだが、これが起死回生の糸口となるのか? また、今のパチンコにとってファン拡大のために一番必要なものは何か? 某大手遊技機メーカーの元開発者であるA氏にお話を伺ってみた。

スマパチに関してはメーカーも消極的!?

パチンコ

写真はイメージです(以下同)

 スマパチはこれまでのマシンにはなかった「Cタイム」を搭載できる。これによりゲーム性が大幅に広がったのだが、いまだに以前のP機をリリースしているメーカーも少なくない。業界事情に詳しいA氏は「メーカーとしても、パチンコがこのままスマパチ市場になるのか判断が付かない状況なんですよね」と話す。 「スマパチには専用のユニットが必要なんですが、まだ全国のホールに普及していません。だったら、P機を作った方が台数を稼げるじゃないですか。そんな感じで、スマパチに対して消極的なメーカーもあります。これまで、内規改正後の一発目にリリースするメーカーはSANKYOが多かったのですが、スマパチに関しては今だに一台も出していません(10月現在)。でも、スマスロは『ヴァルヴレイヴ』を一発目に出しています。要は、パチスロは必ずスマスロがメインになると判断して一発目に出したが、スマパチは普及するか微妙だと思ったのか、とりあえず静観している状況です。その辺りの見極めが、SANKYOは本当にすごいですよね」

パチスロでいう「GOD」的存在の新機能

 6月の内規改正によって期待されている新機能の一つが「ラッキートリガー」。一体どんな仕様なのか? そして、これが文字通りファン拡大の「引き金」となるのだろうか? 「簡単に言うと『突入しづらいけど、入ればモノすご~く玉が出る』機能です(笑)。今も大量出玉が期待できる、いわゆる『上位モード』を搭載している機種はありますが、出玉をかなり上位の方に振っているので、そこに突入させないとほぼ勝てません。でも、今回は下位でも今の出玉性能が維持されていて、ラッキートリガー分がそのまま上乗せされている感じになりますので、出玉的な夢は見られるでしょうね。ただ、この機能は大当り確率200分の1、いわゆるライトミドルタイプの機械にしか搭載できないので、これによってパチンコが活気を取り戻せるかは微妙です」
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パチンコの「パチスロ化」は失敗続き…
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パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
X(旧Twitter):@sagyosakurai

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