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「国立医学部以外はクズ」と詰め寄る、医師になることを強要…“教育虐待”を行う親の正体

難関受験において必要なことは…

 高梨氏は、医学部をはじめとする難関受験において、最も必要な親子の関係についてこんな見解を示す。 「親が子どもを本当の意味で信じているかどうかだと思います。理想的な受験は、親が子どもを信じているからこそ勉強面の口出しはせず、遠方受験の際の手配をしたり、栄養バランスの取れた献立を考えたり、そういうことが自然におこなえます。  逆に子どもを管理したがる親は、成績の微細な上下に一喜一憂し、ノートの取り方を指示したり、勉強面への介入を過度におこなう傾向があります。むしろ、管理することが自分の使命だと誤った解釈をしてしまっています」  医療という重責を担う以上、試験の質は担保されなければならないが、高いハードルを超えることに腐心するあまり子どもを隷属させる保護者がいる。答案でもらう以上の「×」を日常的に家庭で与えられれば、子どもは“心”をすり減らしていく。 「これができなきゃダメ」。減点方式に飼い慣らされ、摩耗していく医学部受験生たちの“心”に、かつて自身も茨を駆け抜けた元神童が補助線を引いていく。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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