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「国立医学部以外はクズ」と詰め寄る、医師になることを強要…“教育虐待”を行う親の正体

 塾生の“心”への目配りを怠らずに、高い合格実績を誇る医学部予備校がある。東京は千代田区に居を構えるエースアカデミーだ。2014年の創業から10年足らずで350名以上の医学部合格者を輩出している。  なぜ受験生の“心”を大切にするのか。医師であり塾長の高梨裕介氏は、医学部受験生によく見受けられる家庭の問題を指摘する。
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画像はイメージです

“教育虐待”がクロースアップされた事件

2018年3月、滋賀県で起きた一件の殺人事件が世間の注目を集めました。加害者である娘は、被害者となった母親から、医師になることを強要される“教育虐待”を受けていたのです。その程度はひどいもので、医学部受験のため、娘は9年間にもわたる浪人生活を強いられていました。  この事件が明るみになると、被害者である母親が家庭で娘に行ってきたことが次々とわかってきて、ニュースなどでコメンテーターが驚きをもって報じる場面が散見されました。  しかし私は、母親の行動については異常だと感じるものの、同時に、『まったくない話ではない』と思ったのです」

自分が教育熱心な家庭で育ったからこそ…

高梨裕介氏

高梨裕介氏

 滋賀県の事件は、「医学部受験界隈ではよく聞く話」らしい。中学受験の際には関西の大手中学受験予備校・浜学園に飛び級での入塾が認められ、西の最高峰・灘中学を筆頭に、東大寺学園、洛南中学、洛星中学に合格した過去を持つ高梨氏も、親の教育過熱については「身に覚えがある」という。 「私には兄がいますが、兄も似たような経歴で、現役で医師です。我が家は医師の家系ではありませんが、母親が『子どもには医師になってほしい』という思いが強く、中学受験など“教育に良い”とされるあらゆるものに手を出しました。  だから当塾で生徒から『親からこんな仕打ちを受けている』と聞いても、はじめのうちは『どこも似たような家庭だな』という感想しか持ちませんでした
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もし「結果を残せていなかったら」と考えた
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