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「なぜ流行っているのかわからない」の声も…2年前の“単調な落ちゲー”が今ヒットする理由

2年前のタイトルが突如ヒットする不思議

ゲーム実況動画をきっかけに大ブレイク中の『スイカゲーム』公式サイト

 Nintendo Switchで配信されている落ち物パズル系ゲーム『スイカゲーム』(Aladdin X/240円)が突如大ブームとなり、普段ゲームをしない層にも広まりつつあります。今回は『スイカゲーム』がヒットした理由と、賛否分かれている口コミなどをチェックしていきたいと思います。  もともと『スイカゲーム』は、照明一体型3in1家庭用プロジェクター「Aladdin X」に搭載するアプリとして開発されたミニゲーム。2021年にNintendo Switch向けに配信開始され、今年9月にゲーム実況系動画に取り上げられると瞬く間に配信者の間でブームに! 結果、Nintendo Storeでダウンロードソフト1位を獲得し、この10月末には300万DLを突破しています。  2年前のタイトルが突如ヒットするというのは不思議な気もしますが、最近はゲームに限らず、音楽や小説でも昔の作品がYouTubeやTiktokで取り上げられ、時を超えて”バズる”というケースが増えています。新作かどうかはあまり関係なく、誰が着目してどう紹介するかがヒットの鍵を握っているのです。

『スイカゲーム』が流行った理由とは?

『スイカゲーム』がここまでブレイクした理由は、ゲーム実況に最適な内容だったから、というのは間違いないでしょう。これまでも落ちものパズルゲームはいろいろとありましたが、『スイカゲーム』がゲーム実況にハマった3つの理由を見ていきましょう。 (1)「スイカを2個作る」という目的が明快

フルーツがボックスからあふれないよう、同じフルーツ同士をくっつけていく

『スイカゲーム』は2つの同じフルーツをくっつけて大きなフルーツに進化させていくパズルゲーム。サクランボ→イチゴ→ブドウ……と変化し、最終的に巨大なスイカに到達します。同じものを合わせて大きくするいわゆるマージ系パズルと、上からアイテムが落ちてきてフィールドが埋まるとゲームオーバーになる落ちもの系パズルの融合となっています。  プレイヤーが目指すのは、フィールド内に大きなスイカを2つ作ってくっつける「ダブルスイカ」。この目的が非常に明快で、しかも現段階でどこまでダブルスイカに近づいているかが、ぱっと見ただけでわかるというのがポイント! 色と大きさがさまざまなかわいいフルーツがフィールドに詰まっているというビジュアルも目を引きます。 (2)運と実力のバランスがちょうどいい 『スイカゲーム』の面白いところは、適当にフルーツを落としていても、ある程度勝手にくっついて大きなフルーツになること。初心者がやっても意外と上手く行くというのはゲーム実況向きでしょう。  もちろんやり込むことで先の予測ができ、ダブルスイカも達成しやすくなりますが、次に落とすフルーツは運の要素が絡みますし、狙って落としたとしても思い通りにフルーツが転がっていくかは計算が難しいところ。この運と実力のさじ加減がちょうどよく、初心者から上級者まで幅広いユーザーが楽しめるようになっています。 (3)実況者とプレイヤーが同じ視点で一体化できる   『スイカゲーム』はフルーツを落としたあと、どのように転がるか、どうくっつくか、状況の変化を見守るのがハラハラする面白さにつながっています。そこは実況者も視聴者も同じ視点。「うまく行ってくれ!」と願いながら画面を見つめる一体感が生まれます。また、フルーツをどこに落とすか決定するまでに制限時間がないのも、しゃべりながらプレイするゲーム実況に適しています。
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『スイカゲーム』に賛否の声
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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