仕事

私が障害者専門の風俗嬢になった理由。母親が射精介助するのが“普通”ではいけない

“介助ができる風俗嬢”

小西理恵_エッジな人々――“障害者専門”とはいえ、行うことは通常の風俗と変わらないということですね。 小西:そこに支援という関わりがプラスされるくらい。“介助ができる風俗嬢”と言ったらいいんでしょうか。あまりに手助けして障害者をお世話してる感が出るのは、私自身もイヤだし、相手もきっとイヤなはず。一人の女性として性を楽しむつもりで接しています。 ――小西さんの活動を知って“障害者専門風俗嬢になりたい”と興味を持つ方もいる気がします。 小西:ただ実際にやってみて、コミュニケーションや、車椅子からベッドへ移動する移乗介助など身体的に難しいと諦めてしまう人もいる。頑張りたいという思いだけでは継続できないし、自分を犠牲にしてまでしてほしいことではないんです。 ――小西さんは、決して自分を犠牲にしているわけではないと。 小西:使命とか大それたことは言えないですが、風俗嬢や祖母の介護、すべてが繫がって今がある。こうして取材を受ける機会に恵まれていることや応援してくれる方が多いことが、私自身がこの仕事を“やるべきこと”の証明だと思っています。

50歳くらいまでは現役でいたい

――小西さんが男と女として接することで“ガチ恋”する利用者もいるのでは。 小西:……いますね。でも、そんなときは「みんなの小西です」と伝えています(笑)。実際、私に好きな人ができて、この仕事を応援してくれる人であっても、交際や結婚は選ばない。自分の彼女や奥さんが裸になって他の男性に触られるのは、本当に好きならイヤだと思うんです。 ――「一日に多くて3人に性サービスを提供する」となると、体力的にも大変そうです。 小西:ベッドの上で体を動かすことが難しい方とのプレイは、空いているスペースに自分の体を置きながらになるので、筋トレ並みにハードですね。それでも、50歳くらいまでは現役でいたいと思っています。 【小西理恵 Rie Konishi】 大阪府生まれ。幼少期から母親代わりだった祖母の介護を機に、障害者専門風俗嬢に。’20年9月に一般社団法人「輝き製作所」を立ち上げ、別事業で障害者専門風俗店として性サービスの提供を行う。YouTube「週刊 輝き製作所」では、”障害者と性”について発信する 取材・文/橋本範子 撮影/杉原洋平
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