29歳の女性僧侶が、受刑者に寄り添う“最年少教誨師”になった理由。「常識を常識と思えなかった」不登校時代を経て
―[インタビュー連載『エッジな人々』]―
2月上旬に開催された「三豊地区更生保護女性会研修会」での講演を訪ねると、そこには幼少期から抱いていた“他者に対する違和感”を涙ながらに語る片岡妙晶の姿があった。
彼女は浄土真宗興正派「慈泉寺」(香川県・まんのう町)の僧侶。宗教の教えを広める布教使であり、また、刑務所で受刑者を更生に導く教誨師でもある。「コンプレックスとして拭い切れていない」という不登校だった過去を背負い、20代で僧侶になった彼女の人生に迫った。
受刑者を救う「最年少教誨師」の教え
同性だからこそ、少女たちが未来を想像できる存在になれる
──片岡さんは以前noteに、“「トー横キッズと気が合いそう」という書き込みがあったので、行って来たなう”と綴られていました。少年院やトー横にいる少女たちを見て感じたことは?
片岡:“大麻の売り子を頼まれて、人に頼られたことがうれしかった”というコがいました。薬物関連や闇バイトなど、どう考えても損しかないことでも頼られると手を染めてしまう。“求められる”ことを求めている少女が少なくないということを感じました。
──片岡さんが教誨師として寄り添ってくれることを喜びと感じる少女も、きっといると思います。
片岡:少年院の刑務教官は受刑者に対して、どうしても厳しくしないといけません。だから刑務所の中でやさしさを持って接する存在は教誨師だけ。でも、そうなると依存されやすい。受刑者たちは基本的にはいつか出所するので、ストーカー被害を受けるリスクもあるんですよね。その点も女性教誨師が少ない理由だと思います。
教誨師を始める際に先輩方に言われたのは「ひたすら寄り添うのがいいことではない」ということ。相手の苦悩に引っ張られず、安心して頼ってもらえるよう、まずは己自身が精神的に自立することが重要です。ただ「丸亀少女の家」の教誨師は私以外の4人は全員男性。同性だからこそ“自分の進むべき道の延長線上にいる人”として、少女たちが未来を想像できる存在になれていることは、私の強みだと思っています。
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