――続いて『幻影』ですが。サビの歌詞がまるで念仏を唱えているような内容でびっくりしました。 古畑:ありがとうございます！もともと、漢字が並んだデザインが好きで、インパクトを持たせたいなと思って入れてみました。心のぐちゃぐちゃをとにかく吐き出したいという思いがあったので。 ――歌詞では生きることに悩んだ主人公の心境を書いてると思いますが、古畑さんの作詞活動に対する悩みも反映されてるなと思ったのですが、いかがですか？ 古畑:私の気持ちをダイレクトに歌詞にしました。見えなくて何が起こるか分からない未来とか、そういうものに対して漠然と不安を抱えるものじゃないですか？ 自分から深い沼に堕ちていかなくてもいいのに、人間ってなぜか潜り込んでいくところがあると思っていて。時期は人によって違うと思うのですが、未来が見えないことは当たり前だし、分かってて進むことってほぼほぼないと思うんですよ。未来が見えないのは当たり前だと分かっているのに不安になっちゃうことが私の中にもあって……。 どうしてもそこから抜け出せないジレンマみたいなものを歌詞に抜き出して、最終的にはどこかで救われたい自分や、誰かをこの歌で救いたい自分を表現しました。 ――なるほど。古畑さんが思う人間の悩みの根幹ってなんだと思いますか？ 古畑:ムズっ！人それぞれになっちゃうけど、きっとみんな『生きる』ってことに対して真剣に向き合ってる証拠なんだと思います。だからこそ悩むし、悩みも出てくるし、みんな必死に自分の命を大切にしているから悩むんだと思います。だから、みんなすごく偉いと思います。 ――今年いっぱいソロ活動に専念されてきましたが、生活面でも変化はありましたか？ 古畑:自分に向き合う時間が増えて、より自分のことを知れた期間でした。私はこういうところが苦手で、こういうことがきっかけでダメになるとか、こうなると気分が上がるんだとか。今までは忙しい時間を過ごしてきたから、見て見ぬフリをしていたところが見えてきたというか。自分について向き合う時間が増えたと感じますね。 ――今まで気づけなかったパーソナルな一面には出会えましたか？ 古畑:考え出したらどこまでも考えちゃう人なんだと気づきました。 いいことにも悪いことにも作用して、自分の中では今までなかったので、新しいなと思ったし、だからこそ、人が自分と同じ状況になってしまったときにより支えられるなって。自分が誰かの役に立てるかもって思える自分に出会えたのも嬉しかったです。