仕事

盛りすぎた履歴書で入社してしまった理系男子。「ChatGPT頼み」がバレて退職するまで

ChatGPTに頼るごまかしの日々

 無事に就活を終え、新入社員として社会人となり安心していたのもつかの間、関根さんは、いきなり難題に直面したといいます。 「面接の際、盛りすぎたスキルや経験を伝えていたせいで、入社早々、自分のプログラミングスキルでは太刀打ちできないような、めちゃめちゃ高度な開発案件にアサインされてしまいました。案の定、耳にしたことがないような用語が飛び交いますし、他の人が書いたコードもスムーズに読み取れず……」  絶望の日々を送り、もはや生きた心地さえしなかったという関根さんは、わらをもつかむ気持ちで、今話題のChatGPTに手を出したそうです。 「うわさは知っていたのですが、実際に使用したことはなかったんです。ところが、言語を指定して具体的なメソッドを尋ねただけで、まるで解説書くらいの詳細なコードサンプルがあっという間に回答されるんです……。その頃はリモートでのやりとりでしたし、全く怪しまれずに諸先輩たちとコミュニケーションをとれました」

すぐに見抜かれたお粗末な仕事

説教 ChactGPTのおかげでなんとか業務に参加できていたそうですが、出社必須の定例のプロジェクト全体会議で、ついに化けの皮がはがされてしまいます。 「リモートではバレなかったChatGPTの流用ですが、リアルなミーティングではやはり無理でしたね……。僕の担当は、サーバーとソフトウエアの接続部分だったのですが、シニアエンジニアのKさんが『これさぁ、概念は間違っていないけど、中間部分のコードが全部割愛されているけど、なんで?』とツッコミが入りました」  何でも答えてくれるChatGPTという印象はありますが、実は質問の仕方や、文字の書き方ひとつで回答の精度が変わってくるそうです。 「関根くん、もしかしてこの回答を誰かにやらせたんじゃないだろうね?」と、その日はそれ以上の追及はなかったといいますが、それ以降、関根さんはプロジェクトから外されます。そして自ら会社に辞表を出し、今は登山用品店でアルバイトをしているとのことでした。 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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