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競輪とは無縁のママチャリ女子が「プロになって初優勝を成し遂げるまで」の軌跡

「刈込=先行」ではなく「先行=刈込」になりたい

刈込選手

涙の優勝インタビューは、ガールズケイリンファンの間で話題となった 
提供/公益財団法人JKA

 7月に前橋で復帰した後、9月の取手と宇都宮では決勝に進出。さらに、10月には地元の松戸で初優勝を成し遂げるなど、あきらかに風向きが変わった彼女に、次なる目標と将来的な目標を聞いてみた。 「次はG1に出る選手もいる開催で決勝に進出して3着以内に入りたいです。もちろん先行で! あと現状、ガールズケイリンファンの方のなかでは『刈込と言えば先行』というイメージはついたかもしれませんが、先行と言って真っ先に思い浮かぶのは私ではないと思います。だから、将来的には『先行=刈込』と思われる選手になりたいです! ホントはここだけの話、グランプリ出場とか言いたいんですけど……ちょっとまだ言えないですね(笑)」

あどけない笑顔の奥に垣間見える意志の強さ

 目標としている選手を聞いた時、迷うことなく出てきた答えが「滝澤正光所長」。現在は競輪選手養成所の所長を務めているが、現役時代は徹底先行スタイルでファンを魅了した選手だ。てっきりガールズ選手の名前が挙がると思いきや「ガールズは目標とする人が多すぎて……。あと、目標にしちゃうと、なんとなくその選手には負けても仕方ないって思っちゃいそうなので」と語っていたのが非常に印象的であった。  言ったことは必ず成し遂げる、良い意味での頑固さがある刈込奈那選手。いずれ先行の代名詞となり、自ら風を切り続けながらガールズ競輪界を牽引する唯一無二の存在となる日が来るのも、さほど遠い未来ではないかもしれない。 取材・文/サ行桜井
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
X(旧Twitter):@sagyosakurai
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