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元セクシー女優が「フリーランス女優が急増した理由」を語る。“悪いオトナ”が近づいてくるリスクも

フリーになることで「事務所NG」の壁を越えられる

たかなし亜妖さん

たかなし亜妖は現在、鳥越アズーリFMにて毎月第4日曜16時から放送されている「たかなし亜妖のモザイクストリート」のメインパーソナリティを務めている

 業界では「事務所NG」なんて言葉がある。すべてのプロダクションに該当する話ではないが、引き受けられる女の子が少ないハードSMやフェチ色の濃いもの(汚物系など)を断り、自分たちのイメージを守るのも会社の仕事。大手・中小はあまり関係なく、所属のカラーを重視するところは、事務所NGを設定するパターンが多い。  NGの範囲はそれぞれで異なるため、内々でタブーとされているものに触れたくなった時、演者は困り果てる。マネージャーとしてもできる限り希望に応えたいとは思っているが、妥協のしすぎはイメージ崩壊に繋がりかねない。お互いの意向がズレた時に、ふとフリーの道を考え始める女優もいる。 「だったら希望通りのことができる場所に移動すれば?」という意見が出てくるとは思うが、ニッチな仕事だけを取り揃えるプロダクションは現時点でゼロ。事務所NGの内容も面接に行かなければ分からない。  それにどこかへ籍を置く以上は限界が出てくるため、フリーランスを選ぶ人は“事務所にいたらできないこと”がしたいのだ。事務所NGの壁を越えると自分の希望通りに動くことが可能。フリーに転身して方向性が変わり、既存のファンが減る可能性も考えられるが、その分新規の集客を見込めるので女優は好きなことに専念できる。

事務所に所属しないと不利な時代は終わった?

 少し前はフリーの女優自体が少なかった。なぜなら現在のようにフリーで活動する概念がなく、相当な努力がなければ仕事を取り続けるのが難しかったからだ。昔はセクシー女優の仕事=ビデオ出演くらいで、SNSもない。プロダクションに属さなければほぼ身動きが取れない状態だったと言えよう。  やがて時は進み、セクシー女優の在り方に変化が起きる。今はSNSやYouTube、ファンサイト開設など「個人の力」を発揮できるフィールドが増え、女優という職業が大きなハンデとならない時代だ。フリーで食べていくにも困らない環境が揃ったからこそ、独立する女優が急増しているのだと思う。  もちろんプロダクションが不必要なんて極端な話ではない。ただ一部の人間にとっては盾がなくとも十分に戦えることから、“所属し続けなければ損をする”のは一昔前の考えなのかもしれない。
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フリーのセクシー女優ならではの悩み
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya

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