ライフ

「娯楽用大麻」溢れるタイで旅行者が注意するべきポイント。周辺諸国は“厳罰主義”も

周辺諸国を経由する「リスク」

 さて、今回筆者はタイへ渡航する手段としてエアアジアグループの飛行機を選んだ。羽田からマレーシア・クアラルンプール経由の移動である。帰りの便も同様だ。直行便よりも運賃が安かったから、そのようなスケジュールになった。  エアアジアの場合はクアラルンプール、スクートの場合はシンガポールを経由することが多いが、マレーシアとシンガポールはどちらも大麻を違法薬物にしている国である。マレーシアは最近では医療用大麻解禁の議論が進められているとはいえ、個人の所有は今も禁止。シンガポールに至っては、自国民・外国人問わず薬物の運び屋を容赦なく絞首刑にする国である。  実際にいたのが、バンコクで買った大麻をそのままインドネシア・バリ島に持ち込んだ観光客である(日本人ではないが)。インドネシアも上の2ヵ国と同様の厳罰主義で、医療用大麻については裁判所が国へ「医療用大麻の是非を決めるための研究をするように」という命令は下したが、その解禁へは至っていない。  タイで売られている大麻茶や大麻成分入りのお菓子をお土産のつもりで日本に持ち帰り、税関に見つかった……というのならまだ運がいいほうだ。これがシンガポールだった場合、日本では考えられないほどの重い刑が下される可能性もある。つまりタイから経由便で帰国する場合、「自分は禁制品を買っていないだろうか?」と一度考える必要が出てくるのだ。

大麻を食べたら…

大麻

大麻が売られている

 また、タイ滞在中は「食べる大麻」に注意を払わなければならない。  大麻を食品に混ぜて口から摂取する、というのはジョイントで吸うよりも効きが強く、錯乱状態に陥ったり、ひどい吐き気に見舞われたり、心身に悪影響があることも。日本でもイベントの参加者がHHCH入りグミを食べたことで救急搬送された出来事があったが、それと同じことを海外でやってしまうと様々なトラブルに発展するのは確実だ。  タイは様々な観光地を抱えた魅力溢れる国だが、その現状故に気をつけなければならない点も多々ある。 <取材・文・撮影/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ