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“もう辞めた”なんて言えない…岡田武史が語る経営者の苦しみ「代表監督とは質が違う」

人を育てるのは簡単ではないこそ「見守る」ことが大切

 FCIで提供する教育の根幹には、「何かに熱中するものを見つけてもらう」というのがある。  熱中するものを見つければ、人は勝手に勉強するし、勝手に成長していく。  ただ、「これは面白い」と感じるのは、出合ってみて初めてわかることであり、いろんな経験を積み、その中で自分の熱中するものを見つけていく過程がとても重要だと岡田さんは説明する。 「FCIでは新しい学びの仕組みを作っていくのを目指していますが、それは学生だけではなく、先生にも言えることです。私はサッカーのコーチに対して、『人を育てるなんて、そんな簡単なことじゃない』とよく言っていますが、先生にも『子どもの育つ邪魔はしない』ように指導してほしいと伝えています。  本来、子どもは育つ力を持っていて、子どもが育つのを大人は見守らなければいけない。愛情が強ければ強いほど口を出してしまいがちですが、あくまで最後のセーフティーネットとして振る舞うのが、先生の役割だと思っています」  スポーツ振興の拠点となる今治里山スタジアムとFC今治高等学校 里山校の開校は、今治 夢スポーツの企業理念を実現するために、全て繋がっているという。  今の資本主義社会では格差と分断が進み、先行きの見えない不安が漂うなか、岡田さんが目指すのは衣食住を保証し合い、助け合う共助のコミュニティづくりだ。  まだ道半ばに過ぎないが、今後の発展に期待したい。 <取材・文・撮影(人物)/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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