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気弱な宅配便ドライバー「客の悪質クレームが怖すぎて…」やらかした“大失態”とその顛末

辞める覚悟で上司にすべてを話すことに

 そんな中、久本さんは前回の恐ろしい体験から3日後、またもやその男性宅へ荷物を運ぶこととなりました。   「完全になめられているのか、前回と同じことを繰り返されました。恐怖のあまり、またもや僕は手持ちのお金を差し出してしまったんです……その瞬間、もうダメだと思いました。もう仕事どころじゃありません。僕自身の性格的な問題だと思っています。せっかく転職したのに、今度は良い環境だったのに…。そう思うととても悔しかったのですが、もう限界ですね」 宅配便2 普段は、配送センターの駐車場にクルマを返し、そのまま自転車で帰宅していた久本さんですが、帰宅する前に上司のMさんに全てを報告しようと決心したのです。

上司の意外なフォローに感激

 事務所を訪れた久本さん。自分の失態を報告し、ついでに辞意を伝えるつもりだったそうですが、そこでMさんから思わぬ言葉を掛けられます。 「大変だったな。ご苦労さん。実はな、俺も全く同じ経験してるんだよ。入社して間もないころ。俺の時はさ、相手が本物のヤバい輩でさ、まあ、後々その人たちは警察に逮捕されるんだけどさ、もうビビりまくってたよ。 でもな、俺の時は誰にも相談できず、子供もいたから仕事を辞めるわけにもいかずで、正直いけないことが頭をよぎったくらいだった。気にすんな。自腹分は会社から出すし、久本はまた住宅街に回すわ。お疲れ!」  思わず泣いてしまった久本さん。それも、せき止められたいた涙が一気に吹き出すように。自分には味方が誰もいないと思っていたから余計に嬉しかったそうです。 「この会社に転職して良かったと思えました。Mさんの言葉も嬉しかったですし、なによりも、この情けない自分を矯正するチャンスをいただきました。心を入れ替えてがんばります!」 <文/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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