仕事

呼び鈴を鳴らし続け、調味料を大量持ち帰り…迷惑客から学んだ「足りなかった店側の配慮」とは――大反響トップ10

あえて挨拶しないお客さんにも話しかける

「透明の袋を大量に持ち帰らないよう注意喚起する貼り紙をしたり、醤油・ソースなどの調味料の小袋は惣菜1パックにつき1個だと促すPOPを作ったり。私たちが、あえて挨拶をしないようなお客さんにも笑顔で挨拶し、積極的に話しかけていました」  社員のなかにはそんな女子高生を邪険に扱う者もいたが、だんだんと状況が変化。迷惑客たちの態度がやわらいでいくとともに、社員の女子高生やお客に対する態度も徐々に変わっていった。そして、大半の社員が女子高生を見習うようになる。 「どんなお客さんにも自ら進んで挨拶し、調味料の小袋を取り過ぎている人を見たら、見て見ぬフリをせず、『お客様、申し訳ございません。調味料の小袋は、1パックにつき1個になっているんです』と、女子高生が作ったPOPを指し示して伝えるよう心がけました」

迷惑客の言動をヒートアップさせていた?

スーパー すると、「あら、そうだったの? 知らなくて、ごめんなさい」と言い、次からはルールを守ってくれる人がほとんど。いつの間にか売場の雰囲気は、明るくやわらかいものに変わっていた。迷惑客の言動をヒートアップさせていたのは自分たちかもしれないと、三橋さん。 「因果性のジレンマとして“鶏が先か、卵が先か”という問題が話題になることがありますが、まさに、それ。どちらが先かはわからないけれど、お互いがお互いの言動をヒートアップさせ、雰囲気を最悪なものにしていたのです。深く反省しました」  単に店側やスタッフに迷惑しかかけないお客がいるのも、事実。けれど今回紹介した事例のように、迷惑客の言動には何かのサインが含まれていて、店舗の改善につながるというケースも意外とあるのかもしれない。 <TEXT/夏川夏実>
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5
1
2
3
4
おすすめ記事