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IHコンロvs電子レンジ、電気代がより安く済むのはどちら? 食材によっては6倍近い差も

「レトルトウォーマー」の立ち位置は?

ではIHの優れた熱効率を生かし、より効率的に調理するためのポイントはあるだろうか? 「要は水量も含めた加熱する対象の大きさによって、調理に必要な熱量と電気量も大きく変わるという話なので、浅めのフライパンでパスタを短く折って茹でるといった調理法は節電術としては合理的です。片付けの手間も含めて節約・時短に繋がりやすいでしょうし。一時期、電気ポットの保温機能で電気代が嵩むという話が話題になりましたが、電気ケトルもお湯をつくる用途なら非常に効率が良いと思います」 筆者のように衛生観念が低い人間はレトルトソースもパスタ麺も同じお湯の中で一緒に加熱すればいいのだが、パスタ調理ではレトルトソースを別に湯煎などして温める工程もある。身の周りではレトルトを温める専用の調理家電を使っている人もチラホラ見受けられるのだが、節電テクとしての評価はどうか? 「『レトルトウォーマー』も電子レンジや電気ケトルと考え方は同じです。少ない量の水で温めるタイプなら鍋で湯煎するよりオススメですが、お湯が不要なタイプは省エネ・節電の観点では少しもったいないかもしれません。電熱線を制御してパッケージが焦げないように温めるということは、加熱しているそばから逃げる熱も発生しやすい。やはり短時間で、熱を逃がさずに密閉された庫内で加熱する電子レンジが一番です。メーカー推奨の使い方ではありませんが、本当は電気ケトルの中のお湯で温めるのも良いと思うんですけどね。手間要らずのラクさがレトルトウォーマーの一番のメリットかと思います」 最近はパスタソースの袋の中に麺を折り入れて、レンジでチンしてそのまま食べられる商品もあるが、そうしたパスタソース商品も電気代だけで考えればおトクと言えそうだ。 <取材・文/伊藤綾> 【中村剛】 東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務。2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在”家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報発信を行う。無類のネコ好き。
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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