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「2時間で2万円もらった」業界人が集まる飲み会の正体「1回目は何事もなかったけど…」

「2時間2万円」の飲み会に参加することに

しかし、実際に水着仕事をする前に違和感を覚える出来事が……。 「社長に『チェックするから』と事務所に呼ばれたんです。会議室で事務所が用意した何点かのビキニを着させられ、社長が確認するというものでした。抵抗はあったのですが、言われるがままに……。『もっと谷間が際立つビキニを着ろ』とか、『見ている人が投げ銭したくなるような甘えた声を出せ』といった、セクハラまがいの指導もありました。ただ、この頃は感覚も麻痺していて社長の言うことに従っていたんです」 結局、水着仕事はそれほどの成果もなく、大したギャラが入らなかったそうです。そんな時、社長はまた新たな仕事を提案してきたとか。 「業界人が集まる飲み会に参加して欲しいという要請があったんです。ギャラは2時間で2万円でした。コロナも収まっていないし、あまり乗り気ではなかったのですが、時給1万なら良いかと思い参加することにしました。事務所の近くの個室のカラオケバーに連れて行かれ、そこにはテレビ関係者や芸能プロダクションの人たちが数名いました。女の子は、私を含めて同じ事務所の子が数人。社長が幹事のような形で飲み会したのですが、その日は何事もなく終了しました」

お偉いさんとサシで飲みに行ったら…

数日後、芦田さんは思ってもみなかった仕事を振られることになったそうです。 「飲み会に参加していた男性から、2人きりで飲みたいと誘いが入ったそうなんです。この時、社長は『仕事だと思って』と、また2万円のギャラを払うと要請。あまりにしつこいので断りづらく、結局その人と会うことになったんです。お店にいくと、たしかに前回の飲み会にいた男性がいました。その男性は、テレビ関係の制作会社の幹部だったようで、散々自分が作った番組の自慢話を聞かされました。ホステスみたいな仕事だと割り切って愛想よく聞いていたのですが、終電近くになった時、急に『ホテルに行こう』と切り出されて。それは困ると断ったのですが、社長からOKを貰っているとの一点張り。慌ててトイレに行くふりをして社長に連絡したのですが、『仕事も貰えるし、お小遣いもゲットできる』という他人行儀な軽い返事。要は、業界の関係者に枕営業させていたんでしょうね。さすがに無理だと思い、店から逃げ出すことにしました」 その夜、芦田さんには社長から電話があり、信じられない言葉を浴びせかけられたそうです。 「お前のせいで大事な仕事が無くなったと激怒され、金を受け取ったんだから最後まで相手しろと暴言を吐かれました。同じ事務所の子に聞くと、同様のことをさせられていたようで、常習犯だったようです。訴えたり、週刊誌に告発しようと思いましたが、自分も将来があるし、結局は電話を無視して事務所とは距離を置くことにしました」
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就職先の現場でまさかの遭遇…
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1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

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