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一般予備費が“1兆円”に。震災復興に強い「大成建設と鹿島建設」の動向に注目したい理由

東日本大震災で東北エリアの受注高が4倍になった「鹿島建設」

 鹿島建設は、石巻ブロックの災害廃棄物処理業務を請け負いました。石巻は津波の浸水面積が最大で、被害が大きかったエリアの一つ。鹿島建設単体の2011年3月期東北エリアの建設事業受注高は526億円でしたが、2012年3月期にはおよそ4倍の2045億円に跳ね上がっています。  2013年3月期の鹿島建設の土木事業は前期比5.1%の減収。反動減となっていることからも、一時的な復興需要の大きさがわかります。  鹿島建設はがれきの撤去作業だけでなく、奇跡の一本松で有名になった岩手県陸前高田市の高田地区海岸の復旧工事も行っています。防波堤の再整備も得意な会社の一つです。

防波堤に強みを持つ“マリコン”「不動テトラ」

 大手ゼネコン以外にも、復興に尽力する会社は数多くあります。津波被害による港湾、防波堤の工事に強みを持っているのが、不動テトラという会社です。同社はゼネコンではなく“マリコン”(マリンコントラクター)と呼ばれています。  東日本大震災の海洋工事が本格化した2013年3月期において、不動テトラの土木事業の売上高は前期比7.5%増の273億円でした。この会社は消波ブロック事業も手掛けており、ブロック事業の売上高は前期比11.6%も増加。56億3500万円となっています。石巻港の防波堤の消波関連工事を手掛けました。  能登半島地震においては、港湾、漁港施設に被害が発生しました。輪島港、七尾港では海底地盤が隆起。船の出港が難しい状況に追い込まれています。富山県氷見漁港でも液状化が確認されました。港湾の迅速な復旧工事も待ち望まれています。
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エネルギーや食料の問題を解決してくれるのか…
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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