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ジョジョ立ちで話題の上智卒コスプレイヤー。うつ病で母を失うも「筋トレと勉強に支えられた」

母の人格が変わっていく悲しさ。突然ではない訃報

書籍『尊トレ 1カ月で2.5次元ボディ』より。写真:N!NA

大学に入ってからの2年間で、ヤングケアラーになっていた桃戸さんはストレスにより10キロも太ってしまった。延々と続くように思われたストレスフルな日々は、20歳のある日、ぷつりと途絶える。 外出中、父からの着信で震えたスマホを耳に当てると、「母さんが死んだ」と呻く声が聞こえた。驚かなかった、と言う。 「意外ではなくて。ついにきたか、と思いました。父はものすごく落ち込んでいましたけど、私は思ったより冷静でした。正直、母が死んでしまったことよりも、優しかった母がどんどん変わってしまうことのほうがつらかった。認知症の家族を持つ人と似た感覚じゃないかと思います」 桃戸さんは「私もやりたいことをやり切ったら、さっさと死にたいです。無理に長生きしたいとは思っていません」と苦笑した。

家以外に居場所があった

桃戸さんは、高校時代から芸能界を夢見ていたそうだ。家族のケアをしながら粛々と受験勉強をし、大学に通い、シビアな芸能界に挑戦できたのはなぜか。 「周りに恵まれたからです。家の環境は良くなかったけど、学校の環境は良かったんですよね。高校も大学もちゃんと勉強している人ばかりだったので『普通に就職したほうがいいよ』って言われてもおかしくないのに、だれも私の夢を否定せず『やったほうがいいよ』と背中を押してくれたんです」 芸能活動をスタートしたのは、21歳の時だ。高校は芸能活動禁止で、大学2年生までは母のケアに追われていた。母が亡くなった翌年、ようやく参加できたオーディションで抜群のプロポーションと整った顔立ちが人目を引き、即合格となった。
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筋トレが母の死の喪失感を埋めた
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元恋愛依存症の心理カウンセラー・文筆家。一児の母。YouTuberメディア「スター研究所」編集長。人間オタクで「なんでなんで」と質問責めして分析するのが趣味。性とジェンダーの話を好む
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尊トレ 1カ月で2.5次元ボディ 尊トレ 1カ月で2.5次元ボディ

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