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ジョジョ立ちで話題の上智卒コスプレイヤー。うつ病で母を失うも「筋トレと勉強に支えられた」

筋トレが母の死の喪失感を埋めた

書籍『尊トレ 1カ月で2.5次元ボディ』より。写真:N!NA

しかし、当の本人は「自信はなかった」と言う。 「自己肯定感が育っていないんです。背が高く、ファッションショーを開催する家庭科部の部長をしていたので、いわゆるファンクラブみたいなものがあったのですが、なんで私のことが好きなのか理解できなくて、どうせお世辞だろうって思っていました。自分が自分を認めていないと、どれだけ賞賛されても信じられないんですよね」 桃戸さんに自信が芽生えたきっかけは、母が亡くなってから始めた筋トレだった。喪失感を埋めるため「何か打ち込める趣味が欲しい」とこぼしていたら、バイト先の先輩に「筋トレしたら?」と勧められた。 「その先輩がボディビル大会に出ている女性の方で、すごくかっこよかったんです。筋トレは、努力するほど自分の体が変わっていくから楽しかった。試しに出場したボディビル大会で負けたのが悔しくて、ジムで本格的に鍛えるようになり、次の大会で優勝できました。ちゃんと努力して、目に見える変化があって、優勝という成果を出したことで、自信がついて自己肯定感が上がったんです。筋トレする前は『自分なんか』と思っていましたが、自分の意見を言えるようになりました」

爆発的にバズった“全力のジョジョ立ち”

鍛え上げた肉体で趣味のコスプレを楽しみ、SNSで写真を投稿するうちに、フォロワーも増えていった。やがて「筋肉オタク女子による全力のジョジョ立ち」が爆発的にバズり、「奇跡の2.5次元ボディ」と言われるようになる。 肉体美を誇る人気コスプレイヤーとして注目され、2023年には女装から男装まで多様なコスプレ写真を収録したトレーニング本『尊トレ』(星天出版)とポーズ集『キャラ演!ポーズ集』(KADOKAWA)を立て続けに出版するなど、活躍の幅を広げていった。 「自己肯定感が低いと、人の言葉や好意を受け取れないんですよね。貯金でも料理でもいいから、自分の努力が形になるものに打ち込んで、自己肯定感を上げると生きやすくなります。私の場合は筋トレが自己肯定感を上げてくれましたが、成果が分かるものであれば何でも自信になると思います」
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“知識”は自分をいい場所へ連れて行ってくれる
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元恋愛依存症の心理カウンセラー・文筆家。一児の母。YouTuberメディア「スター研究所」編集長。人間オタクで「なんでなんで」と質問責めして分析するのが趣味。性とジェンダーの話を好む
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尊トレ 1カ月で2.5次元ボディ 尊トレ 1カ月で2.5次元ボディ

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