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「ヤンキー雑誌」を読む人に“実は普通の男女が多かった”意外なワケ

ティーンズロード読者の約6割が「普通の10代男女」

ティーンズロード

『ティーンズロード』の読者投稿ページ

 他誌のことはわからないので、ここからはティーンズロードに限定した話として聞いてください。  レディース暴走族をメインに取り上げて、18万部という実売があったティーンズロードの読者層の約4割がヤンキー系、あとの6割は“普通”の子。もっと細かく言えば、あえて昔の呼び方をすれば、ネクラ系(今だと陰キャ)が多かったのです。 「ヤンキー雑誌なのになんでヤンキーよりも陰キャの読者が多いの?」と思われる方がほとんどだと思いますが、そこにはティーンズロードの内容に意外なポイントがあったのです。

恋愛・友情・シンナーなどの「お悩み投稿」が満載

 ティーンズロードは、もちろんレディースを中心に暴走族を紹介していましたが、白黒ページでは、他誌とは少し違う企画が盛り沢山でした。その代表的な企画は以下です。 ・シンナー撲滅企画 シンナー依存で苦しむ人たちの投稿に、読者の意見や励ましの言葉をのせる ・赤ちゃんごめんね企画 若くして妊娠してしまい中絶してしまった子の悲痛な叫び ・天国への手紙 バイク事故で死んでしまった彼氏を思って書いた手紙 ・私どうすればいいの… 学校にいけなくなって引きこもってしまった子の葛藤  巻頭や巻末では「喧嘩上等いつでも来いや!」「全国制覇するんで夜露死苦!」というテンションの高いページが並んでいる一方、10代の子たちの悩み、苦しみ、心の葛藤など、まわりの人には言えない等身大の本音を読者投稿企画としてそのまま掲載していました。  SNSがなかった時代には、こういったことを話し合える場もなかったので、編集部には1日で大きなダンボール2箱くらいの手紙が送られてきたのです。
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ティーンズロードは「読者が作っている雑誌」
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伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。

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