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“令和の山口百恵”が降臨する『不適切にもほどがある!』筆者が「絶対に売れる」と確信した出来事

SNSをパトロールしていたら、ある俳優の演技がすごく評判になっている。何と“令和の山口百恵”が降臨したらしいのである。 毎週金曜日よる10時から放送されている『不適切にもほどがある!』(TBS系)では、阿部サダヲ扮する不適切発言連発の主人公が令和にタイムスリップする。その娘役の河合優実が、どうやら山口百恵や中森明菜、松田聖子などの昭和アイドル的らしいのだ。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、「絶対に売れる」と思わず確信した河合優実を読み解く。

「この人、絶対に売れる」と確信した

渋谷にて、とある映画作品の特別試写会がだいぶ前にあった。筆者も観客の中にまぎれていたが、終映後、ロビーで歓談する監督をつかまえて、軽い挨拶をして帰ろうとすると、ある人を紹介したいという。 マネージャーらしき人物に伴われたひとりの女性がロビー奥(確か自動販売機の前)で佇んでいる。間違いない。さっき観たばかりの作品の画面上で、オーラと呼んでしまっては通俗的になりかねないほどクリアで、ひときわ鮮やかな存在感を放っていた俳優、その人だ。 光石研やオダギリジョーなど錚々たる名優たちが名を連ねる所属事務所「鈍牛倶楽部」のマネージャーが、一枚の名刺をさっと差し出した。河合優美。作品クレジットと同じ名前を頭の中でもう一度読み上げる。そして静かな微笑とともに筆者を見つめる河合へ視線を滑らす……。「この人、絶対に売れる」と、そう確信した。

オファーする機会があったものの…

それからほどなく、筆者もキャスティングで参加した別の映画作品で出演をオファーする機会があった。でも残念、先方のスケジュール都合が合わなかった。なるほど、どんどん出演が舞い込んできたタイミングなのだな。 俳優という仕事は、一度勢いに乗ると、どんどん上へ上へ勢いづくもの。この映画も、あのドラマも、あらこっちでも(!)。という具合に、画面上で河合を見かけることがどっと増えた。 伊藤健太郎の再起作『冬薔薇』(2022年)の妹役なんてかなり快調な演技だったし、NHKスペシャルで放送されたドラマ『神の子はつぶやく』(NHK総合、2023年)では、校舎の片隅でひっそり弁当を食べる姿から、宗教2世のリアルを強烈に漂わせた。怒涛の出演歴を重ねている途中の今、阿部サダヲ主演の新ドラマ『不適切にもほどがある!』で、とうとう最大のはまり役をつかんだ気がする。
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“時代が追いついた”必然的なはまり役
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コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションでR&B部門を立ち上げ、企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆。最近では解説番組出演の他、ドラマの脚本を書いている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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