お金

「鳥貴族」が札幌に続々進出。地元チェーン「串鳥」と焼き鳥戦争が勃発中

「ご飯セット」が魅力の鳥貴族、串鳥は無料の「スープ」が名物

「鳥貴族」の基本メニューで面白いと感じたのは、通常のメニューの味の多さ。といっても、「たれ」「塩」に加えて「スパイス」の1種類が増えたのみだが、「串鳥」には「スパイス」味がない。実際に食べてみると、ハーブのような風味が口の中に広がった。「スパイス」は初体験で、「串鳥」では味わえない味だった。また、「串鳥」にはない「ご飯セット」があるのも大きな違いで、白米の量を200g、250g、300gの中から選択。付属で「温泉卵」と「たくあん」、「お吸い物」がついているのも魅力であり、夜ごはんとして食べる選択肢もあるのではないだろうか。
鳥貴族HP

鳥貴族の公式サイト

「串鳥」も負けてはいない。筆者が魅力だと感じているのは、サービスで付いてくる「鶏がらスープ」と「大根おろし」だ。「鳥貴族」にはいわゆるお通しのようなものがなく、入店直後に「スピードメニュー」を注文する場合もあるが、「串鳥」ではこれで十分である。ちなみに、筆者は鶏がらスープの中に大根おろしを入れて一緒にいただく。どちらともおかわり自由なので、「串鳥」を利用する機会があれば、ぜひ試してほしい。
串鳥HP

串鳥の公式サイト

鳥貴族はなぜ札幌だけ3店なのか?

現在、北海道では札幌にしかない鳥貴族だが、なぜ他地域には出店していないのだろうか? そこで鳥貴族に取材を申し込み、鳥貴族FC事業部の枚田年充さんに話を聞いた。 まず、オープン後の客足について。「串鳥」がある中で「鳥貴族」は苦戦しているのではないかと思っていたが、「多くのお客様にご来店いただけており、おかげさまで終日盛況な賑わいとなっている」(牧田さん、以下同)とのこと。「鳥貴族ブランドに対する期待値の高さを実感している」そうで、札幌で成功した要因について「均一価格など、道民の方に鳥貴族ブランドを受けいれていただけた」と好調さを実感している模様だ。 次に聞いたのは「なぜ札幌だけなのか」という疑問だ。札幌だけではなく、旭川や観光客でにぎわう函館など、出店してみてもよい地域は沢山あるはずである。この疑問について、「ドミナント戦略を基本とした出店を考えている」と牧田さん。ドミナント戦略とは、ある店がフランチャイズで展開する際に展開先の地域を特定し、その地域に集中して店舗を展開する手法をいう。 メリットとしては、地域に集中して展開するため、出店計画の効率化や宣伝費等の削減が期待できること。一方、ドミナント戦略を採用すれば店同士で客の奪い合いが発生するデメリットがあるが、ここは串鳥一強の北海道。競争の激化によって、双方によい影響をもたらすことが期待される。 「鳥貴族」の北海道進出により、北海道の“焼き鳥派閥”はどうなるのか。今後の展開や双方の戦略に注目したいところだ。 <文・撮影/小林英介>
1996年北海道滝川市生まれ、札幌市在住。記者。北海道を中心に、社会問題やビジネス等について取材。「酒はライフラインだ」を合言葉に、道内や東京などで居酒屋めぐりをするのがライフワーク
1
2
おすすめ記事