恋愛・結婚

法律婚1回、事実婚2回の48歳男性が、“3度目の離婚”をした今思うこと「失敗ではなく経験」

「結婚はダサい」から事実婚

 国際政治を専攻していた宗像氏は、市民活動に興味を持つようになる。1回目の事実婚の相手は、市民運動の仲間の女性だった。29歳のときだった。 「事実婚の相方は6歳年下の女性でした。市民活動をしている同世代の仲間の中では、結婚(=入籍)はダサいという雰囲気があったので、法律婚はせずに一緒に暮らしだしました。今でも、結婚は形ではなく内実が大切だと思っています」  住民票には「夫(見届け)」と記載された。子どもができた際にも、妻は「姓が変わるのがイヤ」という理由で入籍を望まなかったという。性格や育児方針の不一致により、喧嘩が絶えない結婚生活だった。自分から暴力を振るったことも、妻から暴力を振るわれたこともあった。 「子どもを自宅出産する際の挨拶を巡って口論となった時に『あなたは子どものことを何も考えていない』という言葉で、喧嘩がエスカレートし、妻をひっぱたいてしまったことがあります。2回目にひっぱたいたときは、妻に噛みつき返され蹴られました。DVの問題は、相互の関係性だと思います」

別れた夫婦のもとで板挟みに合う

国会議事堂

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 それでも、後に反省した宗像氏は、前回の記事でも書いた、DV加害者・被害者のケアにあたって30年、のべ9000件のカウンセリングをしてきた日本家族再生センターの代表・味沢道明氏のDV加害者カウンセリングを受け、資格は「お金がかかるから」取っていないものの、現在はカウンセラーとしても活動している。 「他の人は離婚でダメージを受けるけど、登山をしていたことや基本的に楽観的なことから、リカバリーは早かったです。山登りに行くと、悩み事が小さく見える。登山にはそういう効果があります」  だが、1回目の事実婚解消の際には、それすらできないほど落ち込んだ。子どもに会わせるという約束で事実婚を解消したが、現在、21歳の長女(妻の連れ子)と18歳(次女)になる娘たちとは、ここ数年間会えていないままだ。 「娘が母親と養父、僕の間で板挟みになっていたんです。『娘が板挟みに合うのは、君のせいじゃない。社会の問題だ』と伝えたかったので、国を訴える裁判までしました」
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2度目は法律婚、妻には警察を呼ばれる
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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