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留置場で「レクサスを買わないか」男が50万円騙し取った事件。被告人が語った“まさかの言い訳”

保釈金が動機であることは否定

裁判 公判では被告人質問も行われた。弁護人は、被害弁償などの情状を中心に質問。  他方、検察官からは「最初から保釈金に充てるつもりだったのか」と踏み込んだ質問も多かった。ただ終始Aは「たまたま、現金を受け取ったタイミングが保釈金と重なっただけです」と保釈金が動機であることを否定していた。さらに、Aは犯行について「雑談の延長だった」とも答えていた。その際、Aはこう語った。 「(被害者とは)同じ罪名で捕まっていることに親近感があり、自分は薬物で捕まったのは今回が初めてだったので、色々とアドバイスしてくれました。その時に、お金を結構持っていると話していたので、(嘘を)話してしまいました」  さらに、検察官からは「罪を犯して留置場に入っていることが分かっているのに、なぜその状況下で犯行をしたのか」という問いに対して、「経済的に困っていた。身勝手な犯行でした」とも振り返っていた。

裁判官も「たまたまタイミングが…」という言葉が腑に落ちず

 最後に裁判官から、数点だけ質問があった。ほとんどの質問が保釈金と詐欺の関係について。裁判官もAの「たまたま、タイミングが重なった」という回答に腑に落ちていないようだった。一方で、Aは「個人的に金銭トラブルがあって、(被害者にも)助けてやれたらやるよと言っていたので、甘えて騙してしまいました」と説明。やはり保釈金に充てる目的の犯行を否定していた。
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検察官は「保釈金制度を蔑ろにするもの」と断罪
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2002年生まれ、都内某私立大に在籍中の現役学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。
X(旧ツイッター):@Gakuse_Bocho

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