更新日:2020年11月30日 15:51
カーライフ

クラウンSUV化のウワサに愛好家の反応は? 若手クラウンオーナーの主張

 クラウン好きの腕時計投資家、斉藤由貴生です。  私は小学生のときからクラウンが好きで、実際今でもクラウンに乗っています(ベンツも所有)。しかし、そんなクラウン好きに衝撃的なニュースが飛び込んできました。

斉藤由貴生

 それは「現行でクラウンはセダンが終了し、次期型からSUVになる」というニュースです。  これは公式発表ではないため、本当のところはどうなるのかわかりません。しかし、ある程度話題になるということは、「そうなる可能性があるかもしれない」とそれなりに思ってもいいのでしょう。

クラウンをSUV化するメリットとデメリット

「クルマはセダンよりもSUVが人気」という現在の流行を見る限り、「クラウンのSUV化」は理屈としては正しいと言えます。一部報道によれば、「セダンプラス」という新カテゴリーで販売されるとのことです。  実際これまでのクラウンは、「挑戦の歴史」だったと言われているため、「セダンプラス」という新たなカテゴリーを開拓するのはクラウン的に正しいと言えるのかもしれません。
crown

現行モデルが最後のセダンタイプになってしまうのか?

 しかし、セダンのクラウン好きとしては、セダンプラス含め「クラウンのSUV化」は短期的な利益にしか貢献しなさそうだなと思ってます。クラウンには「日本車のセダン」という重要なブランドがあるわけで、SUV化することによって、この重要なブランドを失う可能性があるわけです。これはどう考えても大きな不利益だと思うのです。

クラウンのブランド力とは何か?

 日本人にとって身近なクラウンですが、実は世界全体で見ても「すごいブランド」なのです。  なぜならクラウンは、「ずっと続いている高級セダン」だからです。これは世界的にも稀です。具体的に「ずっと続いている高級セダン」は以下のようになります。
クラウン

8代目、11代目、12代目、現行型クラウンを並べて比較したときの様子

メルセデスベンツSクラス(1951年~) 「Sクラス」という名称はW116からだが、1951年のタイプ220からから事実上のSクラスとされている。 トヨタクラウン(1955年~) 1955年の初代から、ずっと日本の高級車として愛され続けている。 ロールスロイス 先祖をたどれば、戦前のシルヴァーゴーストまで行き着く。 BMW 7シリーズ(1952年もしくは1977年~) 7シリーズは1977年登場だが、それ以前にも高級車が存在。E3、その前の501が先祖と言える。ただし、途中空白期間がある。また7というエンブレムが付いたのは1977年から。空白期間や7という名称を考慮すると1977年からと言えるが、501を元祖とするならば1952年からと言えるだろう。  このように、「ずっと続いている」という観点では、世界的にも“数えるぐらい”しかないわけです。  例えば、アウディは現在「ベンツやBMWのライバル」とされていますが、そのようなポジションになったのはフェルディナンド・ピエヒ氏が大改革を行った後のこと。アウディV8登場以前の上級モデルは、ホルヒ時代にまで遡る必要があり、大きな空白期間があるのです。
A8

アウディのフラッグシップセダンA8

 近年「ジェネシス」という高級ブランドを展開する韓国のヒュンダイに至っては、歴史を追ってしまうと、「長らく三菱自動車の事実上のOEM生産だった」という黒歴史になります。  ですから、クラウンは「ずっと続いている高級セダン」として、世界的に見ても稀有な存在であるわけで、Sクラスに対抗できる稀なブランドであるのです。Sクラスのカタログを見ると、最初のページに歴代モデルが載っていますが、これと同じことをできるのはクラウンぐらいしかありません。  次期クラウンをSUVにしてしまったならば、このようなことはできなくなるでしょう。そもそもいくら名前が同じでも、それはもはやクラウンとユーザーに認識されないと思うのです。
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なぜクラウンを世界展開しなかったのか?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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