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「ネズミ混入」すき家は“売上高2割減”の厳しい状況に。「負のイメージ」払拭に策はあるのか

外食売上1位を誇り、拡大路線を推し進める巨大外食企業のゼンショー。 規模の経済とグループシナジーを発揮し、更なる成長を目指していたが、コア事業である「すき家」で異物(ネズミ)混入が発生し、対応の遅れと共に批判が巻き起こった。SNSや報道で過剰に取り上げられた影響は、現在まで続いている。
すき家

yu_photo – stock.adobe.com

異物混入問題でのすき家の対応は

すき家は自らが公表する前に噂が広まり、忸怩たる思いを抱えたのではないだろうか。 急遽ホームページ等で謝罪と今後の対策を発表したものの、異物が混入した画像が拡散され、その衝撃的な絵面が店舗イメージを大きく低下させたのは確実だ。また、別店舗で害虫混入が発覚したことでさらに事態を悪化させてしまった。 異物混入は他業態でも発生しており、衛生管理体制への批判が強まっている。客足の回復には時間を要する見通しだ。 実際の発生確率は低いものの、店舗数が多く、有名企業であるため誇張されやすい傾向がある。すき家は緊急対策として体制の整備と衛生管理の徹底を目的に、3月31日から4月4日まで店舗を閉鎖した。 期間中は人件費などの経費が発生するため損失も大きい。しかし目先の利益よりも将来の利益を重視した英断であり、いずれ評価されるはずだ。社長も創業者である小川賢太郎氏から次男で副社長の小川洋平氏に承継すると発表したことからも、将来に目を向けて動いていることがわかる。 さらに、営業再開後も一部店舗を除く全店舗で、毎日午前3時から午前4時の間に営業を休止し、集中的な清掃作業を行うほか、同グループの「なか卯」でも清掃タイムを設けるなど、ゼンショー全体で顧客の信頼回復に向けて努力を続けている。

業績への影響は色濃い

今回の対応は、全店舗が直営店であるため可能だった。しかし、売上構成比で26.2%、営業利益で34.8%を占めるコア事業、すき家の4日間の閉店は、業績に深刻な影響を及ぼす可能性が高い。 月次情報によると、25年3月期(通期:24年4月~25年3月、既存店ベース)は売上110.5%、客数102.5%、客単価107.8%と順調に伸びていた。 しかし、3月22日に公表された異物混入騒動の影響は今期(26年3月期)以降に反映されるだろう。 4月度の速報値では既存店ベースの前年比が売上92.8%、客数84.0%、客単価110.5%と、売上が7.2%減少している。 これは客数が16%も著しく低下したことによるものであり、客単価の10.5%上昇が売上低下を若干抑えているが、厳しい状況が予測される。ちなみに全店売上は前年比で79.8%と大きな落ち込みを見せている。
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25年3月期の連結決算では売上が1兆円台に到達
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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